質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第三号

二〇一三年十一月における経常収支の赤字化の原因と今後の見通しに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年一月二十四日

藤末 健三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   二〇一三年十一月における経常収支の赤字化の原因と今後の見通しに関する質問主意書

 一月十四日に政府が発表した「平成二十五年十一月中国際収支状況(速報)」によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は五千九百二十八億円の赤字となった。昨年十月の千二百七十九億円の赤字に続き二か月連続の赤字であり、現統計と比較可能な一九八五年以降で過去最大の赤字となっている。
 このうち、貿易収支は一兆二千五百四十三億円の赤字となり、十七か月連続かつ十一月としては過去最大の赤字となった。内訳は、輸出が前年同月比十七・六パーセント増の五兆六千三百十六億円、輸入が同二十二・一パーセント増の六兆八千八百五十九億円である。この背景としては、円安に加えて原油、液化天然ガスといった化石燃料の需要が高まっており、我が国経済の内需が堅調であることなどが説明される。一方、海外投資からの収益等を示す所得収支は九千二億円と前年同月比〇・八パーセント増にとどまり、五か月ぶりに一兆円台を割り込んだ。
 政府は、昨年二月二十八日に閣議決定した「平成二十五年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」(以下「平成二十五年度政府経済見通し」という。)において、平成二十五年度(二〇一三年度)の貿易収支を六・六兆円程度の赤字、経常収支を五・〇兆円程度の黒字になるとの見通しを示していたが、足下の国際収支状況を見る限り、実績はこの見通しから大きく乖離することとなるのではないかと考える。
 そこで、以下質問する。

一 昨年十月及び十一月に経常収支が赤字となったのは、円安による輸入額の増加は当然のこととして、円安による輸出の伸びが少ないことに原因があるのではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。

二 昨年十二月二十一日に閣議了解された「平成二十六年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」(以下「平成二十六年度政府経済見通し」という。)においては、平成二十五年度(二〇一三年度)の貿易収支を十・一兆円程度の赤字、経常収支を四・二兆円程度の黒字とする実績見込みを示している。この実績見込みが、平成二十五年度政府経済見通しにおける見通しと大きな差異を生じている理由を示されたい。

三 平成二十六年度政府経済見通しにおける平成二十五年度の主要経済指標の実績見込みは、昨年十二月時点での統計等の状況に依拠しているものと考える。「平成二十五年十一月中国際収支状況(速報)」の公表等、最近の統計を踏まえ、政府は、平成二十五年度の経常収支をどのように予測しているか示されたい。また、この予測が平成二十六年度政府経済見通しにおける実績見込みと大きく乖離する場合には、実績見込み自体の修正を行うべきだと考えるが、いかがか。

  右質問する。