質問主意書

第185回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第八三号

内閣参質一八五第八三号
  平成二十五年十二月十三日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員川田龍平君提出「石綿による健康被害の救済に関する法律第三十七条第一項の一般拠出金率の改定案」に関する第三回質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出「石綿による健康被害の救済に関する法律第三十七条第一項の一般拠出金率の改定案」に関する第三回質問に対する答弁書

一について

 石綿による健康被害の救済に関する法律(平成十八年法律第四号。以下「救済法」という。)第三十七条第一項の一般拠出金率(以下「一般拠出金率」という。)については、千分の〇・〇五を千分の〇・〇二に改め、平成二十六年四月一日から適用することについて、同条第二項の規定に基づき、平成二十五年十一月十五日に、環境大臣から内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣に対し、協議の文書を発出したところ、同月二十九日までに、全ての大臣から環境大臣に対し、文書にて異存ない旨の回答がなされた。
 また、当該協議に先立って、同年十月三十一日に、環境省から各府省等に対して原案を送付し、意見の提出を求めたが、いずれの府省等からも意見の提出はなかった。

二について

 お尋ねについては、平成二十五年九月十日からパブリックコメントを開始した同年十月三十一日にかけて、五十二の団体及び一の個人に対し、情報提供及び説明を行った。

三について

 前段のお尋ねについては、いずれの団体及び個人に対しても、一般拠出金率について、千分の〇・〇五を千分の〇・〇二に改め、平成二十六年四月一日から適用することについて、文書又は口頭により説明を行い、相手方の質問等に応じて、石綿健康被害救済基金(以下「基金」という。)における費用負担の仕組み、基金への拠出額及び支給額の推移、石綿輸入量に基づく中皮腫患者数の推計に関する情報等を提供した。
 また、後段のお尋ねについては、先の答弁書(平成二十五年十一月二十九日内閣参質一八五第六六号。以下「前回答弁書」という。)二から四までについてでお答えしたとおり、相手方については、お答えすることは差し控えたものであり、お答えすることは困難である。

四について

 情報提供及び説明を開始する以前においては、一般拠出金率の改定を要望する文書等の提出はなかった。また、情報提供及び説明を開始した以後においては、今般のパブリックコメントに対する意見が寄せられたところであり、一般拠出金率の改定を要望するものとしては、平成二十五年十一月二十九日に、基金の収支を勘案しても妥当な決定であるとの趣旨の意見が寄せられている。なお、意見提出者については、今般のパブリックコメントは、これを公表しないものとして実施していることから、お答えすることは困難である。

五について

 前回答弁書二から四までについてでお答えしたとおり、相手方については、お答えすることは差し控えたものであり、お答えすることは困難である。

六について

 お尋ねの「特別事業主枠の拡大と徴収率の引上げ」については、平成二十二年七月二十八日に開催された第八回中央環境審議会環境保健部会石綿健康被害救済小委員会(以下「救済小委員会」という。)において、二段階方式を採っている事業者の負担の在り方を石綿健康被害救済制度(以下「救済制度」という。)に関する主な論点の一つとして挙げ、以後の救済小委員会において議論した経緯がある。

七について

 平成二十二年五月二十一日に開催された第七回救済小委員会において、当時の石綿健康被害対策室長は、「救済法の対象に入ってくる職業以外のばく露の方については、職業ばく露の方よりも肺がんの割合が、具体的な値は不明ながら、低いと考えられるので、現在の実績が直ちに低いと言えるかどうかというところはなかなか難しい」と発言しており、「中皮腫に対する肺がんの申請件数の比率が低いことを問題とし、改善すべき事項として捉えている」との御指摘は当たらない。

八について

 お尋ねの根拠については、平成二十一年十一月二十七日以降、救済小委員会において、救済制度の在り方等、救済給付(救済法第三条の救済給付をいう。以下同じ。)の支給に要する費用に影響を及ぼし得る事項について審議が続けられてきたため、当該費用の予想が困難であったが、平成二十五年四月十二日に開催された第十二回救済小委員会をもって一連の審議が終了し、その審議結果を踏まえて、救済制度の見直しが行われたことから、過去数年の救済給付の支給実績を基に、当面の救済給付の支給に要する費用をおおむね予想できるようになったためである。
 また、お尋ねの「現在の収支の状況及び一般拠出金率を引き下げた場合の見通し」については、先の答弁書(平成二十五年十一月十五日内閣参質一八五第四六号)三についてでお答えしたとおりであり、その基礎となる各疾病の認定件数については、近年の認定件数に大幅な変動がないことを前提としている。
 なお、お尋ねの「中皮腫と肺がんの認定割合が一対一であった場合の収支」及び「同様の認定割合とした場合の、平成二十五年度以降の将来予測の収支」については、仮定に基づくお尋ねであり、お答えすることは差し控えたい。