質問主意書

第185回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第六〇号

内閣参質一八五第六〇号
  平成二十五年十一月二十二日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員有田芳生君提出特定秘密の保護に関する法律案と拉致問題についての質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員有田芳生君提出特定秘密の保護に関する法律案と拉致問題についての質問に対する答弁書

一、二、四及び五について

 特定秘密の指定については、対象となる情報について、特定秘密の保護に関する法律案(以下「本法案」という。)第三条第一項に規定する要件を満たすかどうかを個別具体的な状況に即して判断する必要があり、一概にお答えすることは困難である。
 また、これまでも各都道府県警察において、行方不明者の親族等に対し、御指摘のとおり「捜査・調査に支障のない範囲でその状況を説明」してきていると承知しているが、本法案により「捜査・調査に支障のない範囲」が縮小されるものではなく、引き続き、各都道府県警察において同様の措置をとるものと承知している。
 なお、御指摘の「家族・親族をはじめ国民の拉致問題に関する知る権利」を始め、国民の知る権利に十分に配慮することは、重要なことであると認識している。

三、七及び八について

 お尋ねの「拉致問題が特定秘密とされた場合」及び「拉致問題をこの法案の特定秘密に指定する」の意味するところが必ずしも明らかでなく、お答えすることは困難である。
 いずれにせよ、今後とも、拉致問題の解決に資するあらゆる方策を検討してまいりたい。

六について

 本法案は、我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものの保護に関し、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより、その漏えいの防止を図り、もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的とするものであり、このような目的は、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の適用のみによって達成することは困難であると考えている。