質問主意書

第185回国会(臨時会)

質問主意書


質問第八三号

「石綿による健康被害の救済に関する法律第三十七条第一項の一般拠出金率の改定案」に関する第三回質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年十二月四日

川田 龍平   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   「石綿による健康被害の救済に関する法律第三十七条第一項の一般拠出金率の改定案」に関する第三回質問主意書

 私が二〇一三年十一月十九日に提出した「「石綿による健康被害の救済に関する法律第三十七条第一項の一般拠出金率の改定案」に関する再質問主意書」(第百八十五回国会質問第六六号。以下「質問主意書」という。)に対する同月二十九日付けの答弁書(内閣参質一八五第六六号。以下「答弁書」という。)が提出された。答弁書に関連して、以下質問する。

一 質問主意書の質問一に対して答弁書では、「石綿による健康被害の救済に関する法律(平成十八年法律第四号)第三十七条第一項の一般拠出金率については、同条第二項の規定に基づき、(中略)環境大臣が定めることとされており」としている。同条同項では「環境大臣が厚生労働大臣及び事業所管大臣と協議」するとされている。協議した日時、場所及び協議の内容と各大臣の意見を具体的に示されたい。それに関連して、事務レベルで環境省が厚生労働省及び事業所管省庁と協議した場合には、日時、場所及び協議の内容と担当者を具体的に示されたい。

二 質問主意書の質問二から四に対して、答弁書では「相手方との信頼関係を損なうおそれがあり、また、これを公表することについて相手方の了解を得ていないことから、お答えすることは差し控えたい」とある。そもそも一般拠出金率の改定(以下「本件」という。)に係るプロセスを全く明らかにしていないこと自体が被災者を始めとする国民との信頼関係を損なう原因となっており、被災者団体の中皮腫・アスベスト疾患 患者と家族の会から十一月二十九日付けでパブリックコメントとして環境省に提出された意見では、「改定は、拙速である」と明確に反対されている。「具体的な日時及び相手方」の公表を控えるのであれば、団体と個人とを分け、それぞれについて「情報提供及び説明」を開始した時期並びに相手方の件数を明らかにされたい。

三 前記二に関して、「情報提供及び説明」とは、どのような資料に基づき、どのような説明を行ったのか明らかにされたい。相手によってその内容が異なる場合は、どのような点で異なる説明を行ったのか具体的に示されたい。

四 前記二及び三に関して、「情報提供及び説明」を開始した以前と以後で、本件を要望する書面あるいはそれに類似する文書等が環境省に提出されている場合は、陳情団体名、日付及び内容を具体的に示されたい。

五 石綿による健康被害の救済に関する法律の成立に関わった国会議員の中に、環境省が本件について説明をした際、必ずしも徴収率を引き下げる必要性がないことや、特別事業主枠の拡大と徴収率の引上げの必要性を主張した者はいないのか、その有無について明らかにされたい。

六 環境省において特別事業主枠の拡大と徴収率の引上げが全く検討されてこなかった理由を明らかにされたい。また、中央環境審議会環境保健部会石綿健康被害救済小委員会の議題としても提示しなかった理由を併せて示されたい。

七 質問主意書の質問五で示した泉陽子室長(当時)の発言趣旨は、「肺がんの申請数が少ない」、「千二百二十九件しか申請がない」というものから明らかなとおり、中皮腫に対する肺がんの申請件数の比率が低いことを問題とし、改善すべき事項として捉えているものである。加えて、改善は石綿健康被害救済基金の運用計画に影響を与える。当時から改善すべき事案とされていながら、申請件数の比率が更に低下している理由について、考えられるもの全てを示されたい。その際、この間の環境省の取組を述べるだけにとどまらず、取組が伴っていない理由も全て示されたい。

八 救済給付の支給に要する費用をおおむね予測できるようになったことを理由に本件を提示しているが、その根拠、現在の収支の状況及び一般拠出金率を引き下げた場合の見通しについて、政府の見解を具体的な数値を示して明らかにされたい。その際、計算の基礎となる中皮腫、肺がん、石綿肺、良性石綿胸水の各疾病の認定件数がどの程度になると考えたのか併せて示されたい。
 また、仮定として、平成十八年度から平成二十四年度までの各年度において、これまでに認定された中皮腫の件数を基にした上で、中皮腫と肺がんの認定割合が一対一であった場合の収支を可能な限り具体的な数値を示して提示されたい。加えて、同様の認定割合とした場合の、平成二十五年度以降の将来予測の収支についても示されたい。

  右質問する。