質問主意書

第185回国会(臨時会)

質問主意書


質問第四二号

拉致問題の解決に向けた方針と具体的施策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年十一月五日

有田 芳生   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   拉致問題の解決に向けた方針と具体的施策に関する質問主意書

 平成二十五年一月二十五日、拉致問題対策本部において決定された「拉致問題の解決に向けた方針と具体的施策」(以下「今回方針」とする)に関し、質問します。

一 今回方針中、「拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のために全力を尽くす」との文言(以下「この文言」とする)が新しく盛り込まれました。この文言を盛り込んだ意図を明らかにして下さい。

二 平成二十年十月十五日付けの「拉致問題における今後の対応方針」の5には、「「特定失踪者」にかかる事案を含め、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案に関する捜査・調査等を引き続き全力で推進していく。また、捜査・調査の結果、新たに拉致と認定される事案があれば、北朝鮮側に対して然るべく取り上げていく」とあります。この平成二十年の対応方針と、この文言とは同じ意味だと理解してよろしいですか。もし、違うとすれば、どこがどう違うのかを明らかにして下さい。

三 平成二十二年六月十八日付けの「拉致問題への取組」の1において、「国の責任において、拉致問題の解決に取り組み、すべての拉致被害者の一刻も早い帰国に向けて全力を尽くす。特に、次の項目に重点的に取り組む」として、生存者の即時帰国に向けた施策と安否不明の拉致被害者に関する真相究明を挙げています。この平成二十二年の拉致問題への取組と、この文言とは同じ意味だと理解してよろしいですか。もし、違うとすれば、どこがどう違うのかを明らかにして下さい。

四 今回方針について、決定後どのような具体的取組がなされ、それによってどのような成果が得られたのか。また、今後の課題として何があるのかを、具体的施策の八項目の順番に従ってすべてお示し下さい。

五 安倍首相は現政権中に拉致問題を完全解決すると繰り返し公言しています。しかし現政権発足から間もなく一年が経過しようとしているにもかかわらず、具体的成果が国民に分かる形で示されていません。また、現政権下で発足した「拉致問題に関する有識者との懇談会」についても、本年四月三日に第一回目の会合が開かれたことはホームページで確認できますが、それ以降の活動や成果については不明瞭で、拉致問題解決のために十分に機能しているとは思えません。一日も早い拉致問題解決のためにこれらの現実を厳しく受け止め、機構改革をふくめて今回方針を見直す予定はありますか、政府の見解をお示し下さい。

  右質問する。