質問主意書

第185回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二八号

国民皆保険制度に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年十月二十四日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   国民皆保険制度に関する質問主意書

 日本の高い健康水準を支えているのは、「いつでも、どこでも、だれでも」低額で質の良い医療が受診できる国民皆保険制度だと認識している。

一 平成二十五年三月二十一日の参議院厚生労働委員会において、私の質問に対し、田村憲久厚生労働大臣は、「政府の方針としてこの日本の国の医療保険制度を守る」と、国民皆保険制度の堅持を宣言された。TPP交渉に際して、政府は、どのようにそれを実現しようとしているのか、具体的に明らかにされたい。

二 TPP交渉において、薬価制度が知的財産権などの項目で議論され、高度医療機器の輸入も含めた流通の規制緩和などが行われると、医療費負担が増大し、結果として国民皆保険制度の維持に問題が生じることが想定される。そのような懸念に対する政府の認識を明らかにされたい。

三 国民皆保険制度を堅持するという政府方針を前提とし、保険内診療と保険外診療を併用する、いわゆる「混合診療」の取扱いに対して、政府の方針を明らかにされたい。

四 TPP交渉参加国のアメリカやニュージーランド、シンガポール等は、営利企業が病院を経営することを認めている。また、過去にはアメリカから、「営利企業による医療サービスの提供」の要求があった経緯もある。しかし、政府が原則として掲げる国民皆保険制度の堅持のためにも、医療を営利の対象とすることを厳しく禁じている、現行医療法の「非営利原則」は、総合特区の設置等も含め、緩和すべきではないと考えるが、この原則に関する政府の方針を示されたい。

五 国民皆保険制度の基礎である国民健康保険の安定的な財政運営を確保するためには、国民健康保険料の納付率を上げることが必須である。
 しかし、全国における国民健康保険料の滞納世帯は平成二十四年六月時点で約三百八十九万世帯となり、加入世帯の約二割を占めている現状である。このような危機的な現状に対し、政府はどのような認識を持ち、かつそれに対しどのような対策を取っているのか、明らかにされたい。

  右質問する。