質問主意書

第183回国会(常会)

答弁書


答弁書第一〇七号

内閣参質一八三第一〇七号
  平成二十五年六月七日
内閣総理大臣 安 倍 晋 三   


       参議院議長 平 田 健 二 殿

参議院議員大河原雅子君提出八ッ場ダム本体関連工事に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員大河原雅子君提出八ッ場ダム本体関連工事に関する質問に対する答弁書

一について

 平成二十五年五月十六日に国土交通省関東地方整備局(以下「関東地方整備局」という。)が行った八ッ場ダムの本体工事の準備に必要な関連工事の契約手続の開始に係る記者発表(以下「記者発表」という。)において、同月十七日から契約手続を開始する工事として示したものは、関東地方整備局のホームページにおいて公表している「平成二十五年度主要事業の概要」(以下「事業概要」という。)の十四ページに「平成二十五年度予定」の工事等として記載されているもののうち、「作業ヤード造成」、「骨材プラントヤード造成」及び「工事用道路」に関する工事であり、これらの個々の工事の概要、工期及び規模について、工事ごとに示すと、次のとおりである。
 作業ヤード造成に関する工事 掘削工 約十五か月 二億円以上三億円未満
 骨材プラントヤード造成に関する工事 掘削工及び盛土工 約九か月 二億円以上三億円未満
 工事用道路に関する工事 道路改良 約九か月 二億円以上三億円未満

二について

 御指摘の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十五年五月に国土交通省水管理・国土保全局が公表した「平成二十五年度水管理・国土保全局関係予算配分概要」の三ページに記載されている「本体工事の準備に必要な関連工事を進めるための予算」を充てることとした工事等については、四についてで述べるとおり、同月十七日に関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所長(以下「事務所長」という。)が三件の工事について入札の公告を行ったほか、同月二十三日に事務所長が八件の業務について手続開始の公示を行ったところであり、これら八件の業務名、業務内容及び履行期限は、それぞれ次のとおりである。
 H二十五八ッ場ダム貯水池周辺地盤性状検討業務(電子入札対象案件) ボーリングコア観察等 平成二十六年三月下旬
 H二十五八ッ場ダム貯水池周辺地質調査(その一)(電子入札対象案件) 八ッ場ダム貯水池周辺地域の地質調査等 平成二十六年三月二十四日
 H二十五八ッ場ダム貯水池周辺地質調査(その二)(電子入札対象案件) 八ッ場ダム貯水池周辺地域の地質調査等 平成二十五年十二月二十日
 H二十五八ッ場ダム本体修正設計業務(電子入札対象案件) 既往の実施設計の修正設計等 平成二十六年三月下旬
 H二十五八ッ場ダム水理模型実験検討業務 八ッ場ダムの模型実験等 平成二十六年三月二十日
 H二十五八ッ場ダム申請書作成業務(その二)(電子入札対象案件) 八ッ場ダム本体関連工事に伴う群馬県等関係機関への申請書の作成等 平成二十六年三月三十一日
 八ッ場ダム選択取水設備等設計検討業務(電子入札対象案件) 選択取水設備の詳細設計等 平成二十六年三月下旬
 八ッ場ダム洪水吐設備等設計検討業務(電子入札対象案件) 非常用洪水吐の詳細設計等 平成二十六年三月下旬
 また、これら十一件の工事等のほか、事業概要の十四ページに記載されている「仮締切」等を行うこととしているが、それらの具体的な内容及び実施予定時期については、現時点で未定である。

三について

 御指摘の意味するところが必ずしも明らかではないが、八ッ場ダム建設事業の今後の工程については、現在、精査しているところである。

四について

 平成二十五年五月十七日に事務所長が入札の公告を行った八ッ場ダムの本体工事の準備に必要な関連工事は三件であり、これらの個々の工事名及び工事内容は、それぞれ次のとおりである。
 骨材プラントヤード造成工事(電子入札対象案件) 八ッ場ダム本体建設工事に伴う骨材製造設備のうち、大柏木地区における基盤造成工事
 八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事(電子入札対象案件) 八ッ場ダム本体建設工事に伴う掘削工事のうち、川原畑地区における掘削工事
 盛土造成地線改良工事(電子入札対象案件) 八ッ場ダム本体建設工事に伴う骨材製造設備のうち、大柏木地区における工事用道路工事等

五について

 御指摘の意味するところが必ずしも明らかではないが、四についてで述べた「八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事(電子入札対象案件)」は、八ッ場ダムの本体工事の準備に必要な作業ヤードを造成するために、同ダムの本体工事予定箇所の左岸側の上部において、掘削工事を行うものである。
 なお、記者発表においては、事業概要に記載されている同ダムの本体工事の準備に必要な関連工事のうち、「作業ヤード造成」、「骨材プラントヤード造成」及び「工事用道路」に関する工事の契約手続を開始する旨を公表したものであり、入札公告における工事名そのものを公表したものではない。

六について

 御指摘の「本体左岸上部掘削工事を実施する場所」及び「本体工事のため、左岸で掘削工事を行う範囲」の具体的な緯度及び経度をお示しすることは困難であるが、四についてで述べた「八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事(電子入札対象案件)」の入札公告において示しているとおり、工事場所は群馬県吾妻郡長野原町大字川原畑地先である。また、御指摘の「掘削工約六万六千立方メートル」は、測量図面から、測点ごとの断面積と測点間の距離を用いて算出したものである。

七について

 御指摘の意味するところが必ずしも明らかではないが、四についてで述べた「八ッ場ダム本体左岸上部掘削工事(電子入札対象案件)」の施工に当たっては、一般国道百四十五号及び東日本旅客鉄道株式会社吾妻線への落石等を防止する防護柵の設置等の適切な安全対策を講ずることとしており、その具体的な設置場所等については、落札者等と調整の上、決めていくものと考えている。