質問主意書

第183回国会(常会)

答弁書


答弁書第三号

内閣参質一八三第三号
  平成二十五年二月五日
内閣総理大臣 安 倍 晋 三   


       参議院議長 平 田 健 二 殿

参議院議員有田芳生君提出警察庁が開示した行政文書に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員有田芳生君提出警察庁が開示した行政文書に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の八百六十八名には、北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律(平成十四年法律第百四十三号)第二条の規定により北朝鮮当局によって拉致された日本国民として認定された者(以下「認定拉致被害者」という。)は含まれていない。

二について

 御指摘の八百六十八名には、行方不明となった当時警察に届出がなされたか否かを確認できない者がおり、また、調査により把握できる件数についても、その調査に膨大な時間を要することから、お答えすることは困難である。

三及び十について

 政府としては、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案に関し、必要に応じて情報共有を行っている。
 拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のために全力を尽くしているが、今後の取組の見通しについては、事柄の性質上、お答えすることは差し控えたい。

四について

 今後の対応について現時点でお答えすることは差し控えたいが、政府としては、北朝鮮に対し、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案について引き続き情報提供等を求めていく考えである。

五について

 政府としては、認定拉致被害者以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者が存在しているとの認識の下、国民の間に広く拉致問題についての関心と認識を深めるための人権教育・啓発の取組を引き続き推進していくこととしている。

六について

 拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律(平成十八年法律第九十六号)は、拉致問題の解決に向けた国の責務等を規定しているところ、認定拉致被害者以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者が存在しているとの認識の下、拉致問題の解決を始めとして北朝鮮による人権侵害問題への取組を推進してまいりたい。

七及び八について

 現在、政府が拉致被害者として認定している十七名については、関係機関の捜査・調査の積み上げの結果、北朝鮮による拉致行為があったという確認に基づき認定されたものであるところ、それ以外の北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者についても、今後、捜査・調査の結果、北朝鮮による拉致行為があったと確認された場合には、速やかに拉致被害者として認定することとしている。また、認定の在り方については、不断の検討が必要であると認識している。

九について

 お尋ねについては、各都道府県警察において、行方不明者の親族等に対し、捜査・調査に支障のない範囲で、その状況を説明しているものと承知している。