第183回国会(常会)
質問第一四五号 国連「健康に対する権利」に関する勧告書及び日本政府の対応に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十五年六月二十五日 福島 みずほ
参議院議長 平田 健二 殿 国連「健康に対する権利」に関する勧告書及び日本政府の対応に関する質問主意書 国連「健康に対する権利」に関する特別報告者アナンド・グローバー氏は、日本政府から招待を受けて二〇一二年十一月に日本を訪問し調査を行った。この訪問の目的は、対話と協調の精神で健康に対する権利の実現のため日本政府が講じた対策について確認することであった。その調査結果の勧告に対して、日本政府が回答した内容について、以下質問する。 一 グローバー氏の「到達可能な最高水準の身体及び精神の健康を享受する権利に関する国連特別報告者の報告書」(以下「報告書」という。)に記載されている各勧告に対する日本政府の「日本国政府代表部:国連特別報告者の報告書への日本政府コメント」(以下「政府コメント」という。)にある回答部分は、それぞれどの省庁が作成したのか。担当省庁及び担当部署を記載項目ごとに明らかにされたい。 二 特別報告者の勧告に対して、日本政府は今後、どのような対応をとるのか。その具体的な対策内容とスケジュールを示されたい。また、政府コメントを発表したことで対応済みとするならば、その理由を示されたい。 三 報告書の第七十七パラグラフ(b)に対する政府コメントで、「日本における年間の自然放射線量は、二・一ミリシーベルトであると推定された」との記載がされているが、この「年間二・一ミリシーベルト」の根拠は何か、具体的な算出根拠を示されたい。 四 報告書の第七十七パラグラフ(f)に対する政府コメントで、甲状腺のフォローアップと検査について、福島県の県民健康管理調査を通じて対応済みとした意見を付しているが、グローバー氏は福島県外も含めた検査について指摘している。福島県内に限定した県民健康管理調査の実施時期及び年齢層別の実施人数につき示されたい。当該調査をもって、グローバー氏の勧告に対する対応策が済んだとしたのはなぜか、理由を明らかにされたい。 五 報告書の第八十一パラグラフで、「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」(以下「子ども・被災者生活支援法」という。)の基本計画について、影響を受けた住民たちの参加により策定することを求めている。日本政府は、政府コメントで「この点について現在検討中である。政府は被災者の意見を聞いているところである」としているが、具体的に何を検討しているのかを示すとともに、どの省庁のどの部署が検討しているのかを明らかにされたい。また、「被災者の意見を聞いている」というのは具体的に何を指すのか示されたい。これに関連し、根本国務大臣は平成二十五年三月二十五日の衆議院東日本大震災復興特別委員会における質疑で「基本方針の策定までに、政府としての考え方を整理した上で、パブリックコメントの実施など、広く御意見を伺う機会を設けたい」と答弁しているが、そうであるなら、子ども・被災者生活支援法第五条第三項にある「意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする」という条文の主旨及び、平成二十四年六月十四日の参議院東日本大震災復興特別委員会における質疑で、法案提案者である川田龍平議員が、私の質問に対して行った「従来されてきたような、パブリックコメントをしたので意見を反映したというアリバイ的なものではなく、直接被災者の声を聞いた上で決めていけるように(後略)」との答弁を踏まえ、政策決定プロセスに住民を参加させよという勧告をどのように受けとめているのか、政府の見解を示されたい。 六 政策決定プロセスにどのような形で住民を参加させ、子ども・被災者生活支援法の基本方針策定を行うのか、そのスケジュールも含めて政府の見解を示されたい。 右質問する。 |