質問主意書

第183回国会(常会)

質問主意書


質問第一一六号

改正特商法によるリユースへの影響に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年六月六日

林 久美子   


       参議院議長 平田 健二 殿



   改正特商法によるリユースへの影響に関する質問主意書

 平成二十四年八月に成立した特定商取引に関する法律の一部を改正する法律(平成二十四年法律第五十九号。以下「改正特商法」という。)が、平成二十五年二月二十一日に施行されている。
 改正特商法は、貴金属等の買取業者による自宅への強引な訪問購入から消費者を保護するために制定されたもので、当然、貴金属等のいわゆる「押し買い」や、自宅への強引な訪問購入は許されるものではない。
 一方で、我が国における廃棄物対策は喫緊の課題であり、循環型社会の形成に向けて、国民、事業者、行政が協力して3R(発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル))に取り組んでいるところである。
 このうち、リユースに携わる事業者は、不用品の出張買取りを行い、修理等を施した上で再販売をしているが、改正特商法が、訪問購入に係る規制の対象を原則として全ての物品としていることから、戸惑いや事業活動への影響を懸念する声がリユース業界に広がっている。
 例えば、家電製品はリユースの需要がある物品であるが、当該家電製品が訪問購入に係る規制の対象となるか否かは、携行が容易か否かという不明瞭な基準により事業者が判断しなければならない。また、訪問購入により引渡しを受けた物品を、いわゆるクーリング・オフ期間中に保管しておく場所を確保するためのコストも必要となる。こうした負担が、環境への負荷に配慮し、リユースに積極的に携わってきた健全な事業者の事業活動を萎縮させてしまうおそれがある。リユース市場の縮小は、事業者のみならず、リユースに貢献したいと考える消費者にとっても望ましいこととは言えない。
 そこで、改正特商法の訪問購入に係る規制に伴い生じるリユースへの影響に関し、以下質問する。

一 政府は、改正特商法施行によるリユース事業者への影響をどう把握しているか。また、把握していないのであれば、速やかに調査を行うべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

二 訪問購入に係る規制が過剰なものとなっている場合、3Rの推進、ひいては循環型社会の形成に支障をきたすおそれがある。訪問購入に係る規制と3Rの推進のバランスをどのように調整し、こうした懸念を払拭するのか。政府の見解を明らかにされたい。

三 今後のリユースの推進に向けた政府の方針を明らかにされたい。

  右質問する。