質問主意書

第183回国会(常会)

質問主意書


質問第一一五号

拉致問題と学校教育及び人権教育・啓発に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年六月六日

有田 芳生   


       参議院議長 平田 健二 殿



   拉致問題と学校教育及び人権教育・啓発に関する質問主意書

 平成二十三年四月一日に閣議決定された「人権教育・啓発に関する基本計画の一部変更について」によって国の「人権教育・啓発に関する基本計画」に「北朝鮮当局による拉致問題等」が盛り込まれました。学校教育及び人権教育・啓発分野におけるその後の取組みと成果について質問します。

一 政府は、平成二十三年五月二十六日付けで「拉致問題に関する理解促進及び人権教育・啓発の推進について」と題する文書を各都道府県知事及び各都道府県教育委員長宛に発し、理解と協力を求めています。これ以降どのような取組みが各都道府県でなされ、またその取組みによってどのような成果があったと認識していますか。

二 文部科学省は、「平成二十三年度人権教育及び人権啓発施策」において、平成二十三年度における主な取組みとして、「北朝鮮当局による拉致問題等」への対応を掲げています。平成二十三年度及び平成二十四年度に具体的にどのような取組みを行い、またその取組みによってどのような成果があったと認識していますか。

三 政府は、平成二十三年五月二十七日付けで各都道府県・政令指定都市教育委員会人権教育担当課長に対し、内閣官房拉致問題対策本部事務局政策調整室長名で「映画「めぐみ」及びアニメ「めぐみ」の上映会の開催について(依頼)」と題する文書を発し、映画及びアニメ「めぐみ」を小学校・中学校・高等学校で上映するよう依頼しています。平成二十三年度及び平成二十四年度に、映画「めぐみ」とアニメ「めぐみ」が全国で上映された実績について、年度別、小学校・中学校・高等学校別に明らかにしてください。

四 政府は、平成二十三年五月二十七日付けで各都道府県私学担当主管課長に対し、内閣官房拉致問題対策本部事務局政策調整室長名で「映画「めぐみ」及びアニメ「めぐみ」の上映会の開催について(依頼)」と題する文書を発し、映画及びアニメ「めぐみ」を小学校・中学校・高等学校で上映するよう依頼しています。平成二十三年度及び平成二十四年度において、映画「めぐみ」とアニメ「めぐみ」が全国で上映された実績について、年度別、小学校・中学校・高等学校別に明らかにしてください。

五 前記三及び四の文書の末尾には、「なお、上映に当たり、当事務局職員から拉致問題の概要についての説明を希望される場合には、職員を派遣することも可能(旅費等については当事務局が負担)ですので、その旨申請書に明記願います」と書かれています。平成二十三年度及び平成二十四年度の内閣官房拉致問題対策本部事務局職員の派遣実績について、年度別、小学校・中学校・高等学校別、公立・私立別に明らかにしてください。

六 全国の地方自治体及び教育委員会では、人権教育・啓発に関し、人権課題別に指導を行う講師を置いて人権研修会等に派遣しています。平成二十四年度において、人権課題として拉致問題を担当する講師は全国に何名いますか。その実数を明らかにしてください。

七 現在、小学校・中学校・高等学校の教科書には歴史や公民の分野で拉致問題が記述され、それぞれの発達段階に応じた指導を行うことになっています。教師が授業を進める一助として拉致問題に関する副読本を作成している教育委員会は全国にどれぐらいありますか。その実数を明らかにしてください。

八 政府は、拉致問題を学校教育及び人権教育・啓発の分野で推進するに当たり、これまでの取組みのなかで何が課題であると考えていますか。また、その課題を克服するために、平成二十五年度において取り組む施策は何ですか。

  右質問する。