質問主意書

第183回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇八号

飯島内閣官房参与訪朝と拉致問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年五月三十日

有田 芳生   


       参議院議長 平田 健二 殿



   飯島内閣官房参与訪朝と拉致問題に関する質問主意書

 本年五月十四日から五月十七日まで北朝鮮を訪問した飯島勲内閣官房参与と拉致問題に関して質問します。

一 飯島参与は、帰国後の五月十八日、北朝鮮側に対して(1)拉致被害者の即時帰国、(2)真相究明、(3)実行犯の引渡しを求めたと菅官房長官に報告しています。この拉致被害者とは、①未帰国の政府認定拉致被害者、②警察庁が昨年十二月に情報公開した拉致の可能性を排除できない失踪者八百六十八人(平成二十四年十一月一日現在)のうち北朝鮮によって拉致された被害者及び③政府がいまだ把握していない拉致被害者のことと理解してよろしいですか。

二 真相究明とは、①未帰国の政府認定拉致被害者、②警察庁が昨年十二月に情報公開した拉致の可能性を排除できない失踪者八百六十八人(平成二十四年十一月一日現在)全員及び③政府がいまだ把握していない拉致被害者を対象にしていると理解してよろしいですか。

三 実行犯の引渡しとは、現在警察庁が国際手配している容疑者だけを指しているのですか。この引渡しが北朝鮮によって拒否された場合、拉致問題の完全解決にはならないと理解してよろしいですか。

四 安倍首相は、五月二十日の参議院決算委員会において、「こういう方々も含めて全て拉致問題を解決をということであれば、全ての拉致被害者の日本への帰国ということであります」と述べました。「こういう方々」とは、警察庁が昨年十二月に情報公開した拉致の可能性を排除できない失踪者八百六十八人(平成二十四年十一月一日現在)のうち北朝鮮によって拉致された被害者及び政府がいまだ把握していない拉致被害者のことと理解してよろしいですか。

五 前記四の「こういう方々」の拉致認定については、北朝鮮から日本に帰国した後に認定する方針なのでしょうか。それとも、現在の政府認定拉致被害者のように「関係機関の捜査・調査の積み上げの結果、北朝鮮による拉致行為があったという確認に基づき認定されたものである」とする認定要件と異なる見地から、帰国前に認定する方針なのでしょうか。

六 飯島参与が平壌を訪問した際、北朝鮮の高官が拉致問題の解決に取り組む前提条件として、北朝鮮への制裁を緩和することを求めていると報じられています。それは事実ですか。

七 政府は、北朝鮮が拉致問題の解決に取り組むなら、現行の制裁を緩和する用意はありますか。また、「北朝鮮が拉致問題の解決に取り組む」とは、具体的にどのようなレベルの行為を指すのでしょうか。

八 政府は、北朝鮮との拉致問題解決のための交渉が開始された場合、警察庁が昨年十二月に情報公開した拉致の可能性を排除できない失踪者八百六十八人(平成二十四年十一月一日現在)全員の具体的情報を提供して、拉致の真相を究明する用意がありますか。

  右質問する。