質問主意書

第183回国会(常会)

質問主意書


質問第八〇号

安倍首相の所信表明演説において日朝国交正常化に触れない理由に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年四月十八日

有田 芳生   


       参議院議長 平田 健二 殿



   安倍首相の所信表明演説において日朝国交正常化に触れない理由に関する質問主意書

一 私が「日朝平壌宣言に関する質問主意書」(第百八十三回国会質問第五二号)等三回にわたって質問してきたことは、「「第百八十三回国会における安倍内閣総理大臣所信表明演説」(平成二十五年一月二十八日)では、「外交・安全保障」の項で拉致問題の解決に触れていますが、「日朝平壌宣言」や「日朝国交正常化」という表現はなく、なぜ第一次安倍内閣で使用した「日朝国交正常化」という言葉が消えたのですか」というものです。「日朝国交正常化」という言葉を使わなかった安倍首相の認識の根拠を聞いたのです。なぜならこの問題は今後の日朝交渉の行方に深く関わっているからです。小泉純一郎内閣に北朝鮮が対応したのは、「日朝国交正常化」の課題がしっかりと位置付けられていたからにほかなりません。いくら相手が「挑発国家」であったとしても、外交においては戦略的・戦術的に正確なメッセージを示さなくてはなりません。安倍首相が「国交正常化」に触れないことに、私は疑問を持っています。なぜ「国交正常化」のフレーズを安倍首相の所信表明演説に組み込まなかったのか。日朝平壌宣言に関する再質問主意書(第百八十三回国会質問第六二号)に対する答弁書(内閣参質一八三第六二号)では「内外の諸情勢等を勘案し、閣議で検討を行った」とあります。認識を問うているのに形式でもって峻拒する。内容を明らかにできないのは、公開すれば何か不都合なことがあるからですか。

二 閣議での検討過程について答えることは「率直な意見の交換に支障を及ぼすおそれがある」と日朝平壌宣言に関する第三回質問主意書(第百八十三回国会質問第六九号)に対する答弁書(内閣参質一八三第六九号)にあります。国民的課題であり、認定・未認定にかかわらず、多くの拉致被害者家族が知りたいと望む質問に答えないのはいかにも不誠実です。政府の重要課題について答えることがどんな「支障」を及ぼすのですか。抽象的形式的言辞ではなく、拉致被害者家族の顔を想像しながら具体的にお答えください。

  右質問する。