質問主意書

第183回国会(常会)

質問主意書


質問第五六号

国の出先機関に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年三月十二日

江口 克彦   


       参議院議長 平田 健二 殿



   国の出先機関に関する質問主意書

 国の出先機関(内閣府設置法第四十三条第二項及び第五十七条並びに国家行政組織法第九条に規定する地方支分部局を指す。以下同じ。)の温存は、改善すべき中央集権体制の維持に他ならない。国の出先機関の見直し(廃止や統合、地方自治体への権限、人材及び財源の移譲を含む。以下同じ。)は、戦後以来久しくその必要性が指摘されながら、これまで大きな進展が見られない課題である。
 国の出先機関に対して指摘されてきた、地方自治体との「二重行政」の無駄、民主的統制の欠如、縦割り行政の弊害といった問題を改善することや、地方の実態に即した行政を行うことの重要性を考えれば、政府は国の出先機関を速やかに見直すべきである。
 また、政府として道州制の導入に前向きに取り組むのであれば、国の出先機関を見直しておくことは、道州制の導入という大きな変革に伴うインパクトの軽減になり、導入のハードルを一段下げることにもつながり得るとも考えられる。
 そこで、政府の、国の出先機関の見直しに関する認識を確認するため、以下質問する。

一 政府は、国の出先機関の見直しの必要性を、どのように認識しているか。東日本大震災の影響等も踏まえ、改めて国の出先機関の在り方を検討することも重要ではあろうが、道州制の導入も見据えるのであれば、いたずらに検討を先延ばしにすることなく、見直しに向け早急に取り組むべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

二 先の自民党政権の下で、経済財政諮問会議の有識者議員が提出した「国の出先機関の大胆な見直し」(平成十九年五月二十五日)等を踏まえ、地方分権改革推進委員会が「第二次勧告~「地方政府」の確立に向けた地方の役割と自主性の拡大~」(平成二十年十二月八日)を政府に提出している。東日本大震災の発生をはじめ、当時と状況が大きく異なるとはいえ、国の出先機関の見直しの必要性は変わっていない。同勧告を踏まえた国の出先機関の見直しをすすめることにつき、政府の見解を明らかにされたい。

三 平成二十四年十一月十五日、民主党政権の下で「国の特定地方行政機関の事務等の移譲に関する法律案」及び「国の出先機関の事務・権限のブロック単位での移譲について」が閣議決定されている。これら閣議決定を踏まえた国の出先機関の見直しへの取組について、現在の政府の方針につき、明らかにされたい。

四 国の出先機関の多くは、府県単位ではなく地域単位、すなわちブロック単位で設置されている。例えば、総務省は各総合通信局を北海道、東北、関東、信越、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州に設置している。
 なぜ、各省庁は、その出先機関を各府県単位で設置せず、各地域ブロック別に設置しているのか。その理由を明らかにされたい。

  右質問する。