質問主意書

第183回国会(常会)

質問主意書


質問第四四号

厚生労働省労働基準局におけるサービス残業等の実態及び改善に向けた取組方針に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年三月一日

藤末 健三   


       参議院議長 平田 健二 殿



   厚生労働省労働基準局におけるサービス残業等の実態及び改善に向けた取組方針に関する質問主意書

 労働基準法の割増賃金制度は、使用者が時間外、休日及び深夜に労働者を働かせた場合に、割増賃金の支払を義務付けることで労働時間の間接的な規制を行い、労働者が健康を保持しながら労働時間以外の生活のための時間を確保して働くことができることを目的としている。また、年次有給休暇制度についても労働基準法に基づき、労働者に安心して休養を取らせて心身の疲労を回復させること、加えてゆとりある生活の実現に資することを目的として労働環境の整備を図っている。
 平成二十二年四月には、改正労働基準法が施行され、長時間労働を抑制し、また仕事と生活の調和の観点から法定割増賃金率の引上げや時間単位の年次有給休暇制度の導入などが行われたが、いまだに時間外労働をさせても賃金を払わないサービス残業を課したり、年次有給休暇を認めない等、法令遵守を軽視した規範意識の低い企業、いわゆるブラック企業が問題となっている。
 こうした一方、中央省庁においても、残業代の不払い問題があるとの指摘が繰り返しなされている。企業の法令違反については、全国の労働基準監督署で指導監督を行っているが、労働基準監督署を指揮命令している厚生労働省自体や中央省庁においてサービス残業が常態化しており、企業を指導監督する観点から早急に改善する必要があると考える。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 企業のサービス残業等の規制監督官庁である厚生労働省、特に労働基準局におけるサービス残業の実態についてどのように把握しているのか、残業手当の支払状況、年次有給休暇の取得状況と併せて明らかにされたい。

二 中央省庁においては、国会関係事務、予算事務等の作業で深夜労働に及ぶことも推察されるが、時間外労働に対して支払われる超過勤務手当について不払い残業が常態化している中で、実際に深夜労働に及んだ際、一般職の職員の給与に関する法律に基づき、夜勤手当は給与に反映されているのか、厚生労働省労働基準局における支払状況を明らかにされたい。

三 今後、企業のサービス残業をなくしていく上で、規制監督官庁である厚生労働省を始めとして国家公務員の労働環境を率先して改善していくことが重要と考えるが、サービス残業などの労働環境の改善に向けてどのような方針を安倍内閣として持っているのか、見解を明らかにされたい。

  右質問する。