質問主意書

第183回国会(常会)

質問主意書


質問第四三号

拉致被害者の政府認定基準に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年二月二十八日

有田 芳生   


       参議院議長 平田 健二 殿



   拉致被害者の政府認定基準に関する質問主意書

 北朝鮮による日本人拉致被害者の政府認定基準に関し、以下質問します。

一 日本人拉致被害者の政府認定基準(以下「現行基準」とする)はいつ、誰が、どのような目的で策定したのですか。

二 現行基準の根拠となる法令及び規程は何ですか。また、現行基準に法的拘束力はありますか。

三 政府認定拉致被害者(以下「政府認定者」とする)が十七名から増えないのはなぜですか。その理由を説明して下さい。また、政府認定者と政府未認定の拉致被害者とでは、政府の対応や取扱いに差がありますか。

四 政府は、政府認定者を十七名以上に増やさないと、北朝鮮と約束しているのではありませんか。

五 現行基準の三条件(①北朝鮮による国家意思が推認される形で、②本人の意思に反して、③北朝鮮に無理やり連れていかれたもの)すべてを満たしている政府認定者は、現在の十七名の内何名いるのですか。

六 政府認定者十七名がこの三条件すべてを満たしていないのなら、現行基準は意味がないと考えます。見直しもされずに何のために今日まで存続しているのですか。その、存在理由をお示し下さい。

七 現在の政府認定者は、現行基準の第一条件「北朝鮮による国家意思が推認される形で」(以下「第一条件」とする)について、いつ、どこで、誰に、どのような形で確認されたのですか。具体的に明らかにして下さい。

八 現在の政府認定者は、現行基準の第二条件「本人の意思に反して」(以下「第二条件」とする)について、いつ、どこで、誰に、どのような形で確認されたのですか。具体的に明らかにして下さい。

九 警察庁は平成二十四年十二月六日に拉致の可能性を排除できない失踪者八百六十八名について情報公開しました(「都道府県別捜査・調査対象者数 平成二十四年十一月一日現在」)。本人が失踪している状況下でどのようにして第二条件の確認をしているのですか。

十 現在の政府認定者は、現行基準の第三条件「北朝鮮に無理やり連れていかれたもの」(以下「第三条件」とする)について、いつ、どこで、誰に、どのような形で確認されたのですか。具体的に明らかにして下さい。

十一 政府認定者以外にも北朝鮮に存在すると推認される未認定の拉致被害者について、いつ、どこで、誰に、どのような形で第三条件を確認しているのですか。具体的に明らかにして下さい。

十二 北朝鮮に拉致されたすべての被害者を現行基準で完全に把握できるのですか。

十三 安倍晋三首相は拉致問題対策本部の会合(平成二十五年一月二十五日)で、「私の使命として私が責任者であるうちに解決したい」と語りました。現内閣中に現行基準を見直す予定はありますか。

  右質問する。