質問主意書

第183回国会(常会)

質問主意書


質問第三五号

尖閣諸島に対する米国の態度に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年二月十九日

藤末 健三   


       参議院議長 平田 健二 殿



   尖閣諸島に対する米国の態度に関する質問主意書

 尖閣諸島をめぐる日中間の緊張の高まりを受け、パネッタ国防長官をはじめとする米国高官は、尖閣諸島が日米安全保障条約第五条の適用対象であるとした上で、「米国は条約上の義務を履行する。(there was no change in Washington's long-held stance that it would fulfill its obligations under the security treaty.)」との発言を行っている。
 これを踏まえて、以下質問する。

一 日米安全保障条約第五条は「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。」(ARTICLE NO.5 Each Party recognizes that an armed attack against either Party in the territories under the administration of Japan would be dangerous to its own peace and safety and declares that it would act to meet the common danger in accordance with its constitutional provisions and processes.)と規定している。本規定の解釈について、条約上の義務の履行とは、そのまま米国による共通の危険への対処、つまり米軍による対応を必ずしも意味していないのではないか。日米関係をより強固なものとするためにも今月に予定されている安倍総理大臣の訪米時に米国側と「条約上の義務を履行する」の具体的な内容を確認すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

二 二〇一二年九月二十日の米上院外交委員会東アジア太平洋小委員会の公聴会において、カート・キャンベル国務次官補は「米国の立場は明確であり、尖閣諸島の究極の主権については特定の立場(a position)をとらないが、これまで明確に述べてきたように、日本は実効的な施政権(effective administrative control)を(同諸島に)維持している故に日米安全保障条約第五条の対象であることは明確である。」と発言している。この発言では、日米安保に基づき米軍が行動を起こすことは全く担保が取れていないと考えられるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。