質問主意書

第183回国会(常会)

質問主意書


質問第一四号

環太平洋パートナーシップ(TPP)協定への交渉参加検討に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年二月一日

平山 幸司   


       参議院議長 平田 健二 殿



   環太平洋パートナーシップ(TPP)協定への交渉参加検討に関する質問主意書

 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定(以下「TPP」という。)への交渉参加検討に関して、以下質問する。

一 平成二十四年十二月に安倍新政権が発足し、民主党政権から自由民主党及び公明党の連立政権への政権交代が行われたが、それに伴い、TPPへの交渉参加を検討する体制がどのように変更されたのか明らかにされたい。
 民主党政権下では、「TPP協定交渉参加に向けた関係国との協議に関する体制」において内閣総理大臣を議長とし、全閣僚が構成員となる「包括的経済連携に関する閣僚委員会」を頂点とした体制が構築されていた。
 安倍内閣総理大臣は、第三回日本経済再生本部(平成二十五年一月二十五日)の総理指示において、経済連携の推進の項目で、「内閣官房長官は関係大臣を束ね、海外の成長を取り込むため、『聖域なき関税撤廃』を回避しつつ、国益の確保を大前提とした戦略的経済連携を推進するための方策を検討すること。」とした。
 そこで、TPP交渉参加を検討するに当たり、交渉参加の検討及び決定はどの機関において、どのような方法で行うのか明らかにされたい。
 また、内閣総理大臣、内閣官房長官及び関係大臣の役割及び権限について明らかにされたい。

二 外務省のウェブサイトに掲載されている「環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉概要(平成二十四年十二月)」においては、TPPの基本的な考え方について、「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)に向けた道筋の中で実際に交渉中のものであり、アジア太平洋地域における高い水準の自由化が目標。物品市場アクセスの交渉対象については、全ての品目を自由化交渉の対象としてテーブルに乗せなければいけないとされているが、最終的な関税撤廃の原則については定かではなく、センシティブ品目の扱いは交渉分野全体のパッケージの中で決まるとされている。」と記述されている。
 一方、平成二十四年十二月に実施された衆議院議員総選挙において、衆議院の多数を占め、政権を獲得した自由民主党の政権公約には「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、交渉参加に反対する。」という一文が盛り込まれていた。
 安倍新政権においては、平成二十五年一月末現在、米国等十一か国で協議が進められているTPP交渉は「聖域なき関税撤廃」を前提として行われているという認識であるのか、見解を明らかにされたい。
 また、「聖域なき関税撤廃」が意味するものについて、安倍新政権の見解を明らかにされたい。

  右質問する。