質問主意書

第181回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第五二号

内閣参質一八一第五二号
  平成二十四年十一月二十二日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員若林健太君提出平成二十四年の人事院勧告の取扱いに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員若林健太君提出平成二十四年の人事院勧告の取扱いに関する質問に対する答弁書

一について

 本年の人事院勧告の取扱いについては、平成二十四年十一月十六日に「公務員の給与改定に関する取扱いについて」(以下「取扱方針」という。)を閣議決定したところである。

二について

 一般職の国家公務員の給与については、平成二十六年三月までの間、国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律(平成二十四年法律第二号)に基づく給与減額支給措置が講じられており、本年の人事院の職員の給与に関する報告においても、国家公務員の月例給の水準は、民間給与と比較して平均七・六七パーセント低い状況にあるとされている。特に高齢層職員については、若年層職員に比較して、相対的に厳しい給与減額支給措置を受けている状況にある。このような状況を踏まえれば、給与減額支給措置期間においては、五十歳台後半層における官民の給与差は従来より縮小又は逆転している状況にあると考えている。
 なお、本年の人事院勧告で指摘されている昇給制度の見直しを含めた高齢層職員の給与水準の見直しについては、取扱方針において、世代間の給与配分の適正化や雇用と年金の接続の観点から幅広く検討を行い、給与減額支給措置期間が終了する平成二十六年四月から実施する方向で、平成二十五年中に結論を得ることとしている。

三について

 人事院勧告制度は、国家公務員の労働基本権の制約に対する代償措置の一つとしての憲法上の評価が与えられており、この制度が存在するだけでなく、その本来の機能を営むことが必要であると考えている。
 なお、取扱方針は、本年の人事院勧告の不実施を決めたものではなく、二についてで述べたような給与減額支給措置が講じられている状況の中で高齢層職員に対する過重な負担を避けるため、給与減額支給措置期間が終了する平成二十六年四月から昇給制度の見直しを含めた高齢層職員の給与水準の見直しについて実施する方向としていること、その内容は職員に不利益を及ぼすものではないこと等を踏まえれば、取扱方針によることについて、人事院勧告制度が本来の機能を果たしていないとまで評価されるものではなく、憲法上の問題は生じないものと考えている。