質問主意書

第181回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第四一号

内閣参質一八一第四一号
  平成二十四年十一月二十二日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員佐藤正久君提出日米防衛協力のための指針及び周辺事態安全確保法に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員佐藤正久君提出日米防衛協力のための指針及び周辺事態安全確保法に関する質問に対する答弁書

一について

 我が国を取り巻く安全保障環境については、日米防衛協力のための指針(以下「指針」という。)が改定された平成九年以降、国際テロ組織等の活動を含む新たな脅威や海洋、宇宙、サイバー空間の安定的利用に対するリスク等の新たな課題にも直面しており、こうした課題も、日米防衛協力の在り方に影響を及ぼし得るものと考えている。

二及び三について

 日米両政府の間では、平素から、安全保障分野での幅広い協力について議論を行ってきているところであり、平成二十四年九月に行われた日米防衛相会談においては、日米間で新たな安全保障環境を踏まえた日米の役割・任務・能力に関する協議を推進し、指針についても、必要な研究及び議論を行っていくことが日米同盟を深化させていくことにつながるとの認識で両閣僚が一致したところである。
 指針について、現在、日米間で必要な研究及び議論を行っているところであり、お尋ねの指針の改定等の必要性については、当該研究及び議論も踏まえつつ判断すべきものと考えている。

四から六までについて

 周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(平成十一年法律第六十号。以下「周辺事態安全確保法」という。)別表第一の備考は、周辺事態安全確保法の立案に当たり、後方地域支援として我が国が実施する支援措置の内容を検討する過程において、米側から我が国に対する協力の要請の内容として想定していないとの説明があった事柄について、そのような支援措置は実施しないことを規定上明らかにしたものである。
 我が国の行う活動と憲法との関係については、個別の状況に応じて判断することが必要であると考えられるところ、周辺事態安全確保法の立案過程において、これに基づき実施することが想定されない具体的な態様の行為について憲法上の実施の可否を検討したものではない。
 二及び三についてで述べたとおり、指針について、現在、日米間で必要な研究及び議論を行っているところであり、指針の改定等の必要性については、当該研究及び議論も踏まえつつ判断すべきものと考えている。御指摘の森本防衛大臣の答弁は、この趣旨を述べたものである。

七について

 一般論として言えば、自衛隊がその任務を遂行するために行う情報収集活動により得られた情報を米軍に対して一般的な情報交換の一環として提供することは、実力の行使に当たらず、周辺事態(周辺事態安全確保法第一条に規定する周辺事態をいう。以下同じ。)に際して行われるものであっても、憲法上の問題はないと考えているところ、周辺事態に際して我が国が行う情報提供について、憲法との関係で問題となるような状況は想定していない。