質問主意書

第181回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第三二号

内閣参質一八一第三二号
  平成二十四年十一月十六日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員佐藤正久君提出オスプレイの普天間飛行場配備・運用に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員佐藤正久君提出オスプレイの普天間飛行場配備・運用に関する質問に対する答弁書

一から三までについて

 政府としては、米国防省が普天間飛行場に配備されている回転翼機CH四六を垂直離着陸機MV二二オスプレイ(以下「MV二二」という。)に換装する方針である旨を発表した平成二十三年六月以降、MV二二の安全性等に関して地元の皆様に強い懸念があることを踏まえ、MV二二の沖縄配備の意義、安全性等について、地元の皆様の理解が得られるよう、丁寧に誠意をもって説明してきたところである。
 また、本年九月十九日の「日本国における新たな航空機(MV―22)に関する日米合同委員会合意」(以下「今次合同委員会合意」という。)は、MV二二の運用に係る様々な事項について、安全性を最大限確保し、地元に与える影響を最小限にとどめる観点からの具体的な措置を定めたものである。政府としては、引き続き、今次合同委員会合意等について地元の皆様に丁寧に説明するとともに、今次合同委員会合意が適切に実施されるよう、米側との間で必要な協議を行っていくことで、地元の皆様の理解を得ていきたいと考えている。

四及び五について

 防衛省が本年八月二十八日に公表した「モロッコにおけるMV―22墜落事故に関する分析評価報告書」及び同年九月十一日に公表した「フロリダにおけるCV―22墜落事故に関する分析評価報告書」においては、操縦士の訓練・技能管理や機体整備についても記載し、また、今次合同委員会合意においては、乗組員及び整備要員の訓練についても記載しているところである。
 お尋ねのMV二二の操縦士の「練度管理要領」や機体の「整備要領」等の詳細については承知していないが、我が国に着任する全てのMV二二の操縦士は、米側の規則に従って、必要な資格を取得した上で、米国本土において必要な訓練を受け、経験を積んだ者である旨米側から説明を受けている。また、全てのMV二二の整備要員は、適用される職業技能上の特殊な基準に従って徹底して訓練され、MV二二の効果的かつ安全な運用を確保するため、最新の整備に関する情報や整備方法を取り入れていると承知している。

六及び七について

 嘉手納飛行場及び普天間飛行場における騒音については、政府として、累次の機会に、日米合同委員会における平成八年三月二十八日の嘉手納飛行場及び普天間飛行場における航空機騒音規制措置に関する合意に従い、航空機の運用による騒音の影響をできるだけ軽減するよう米側に申入れを行ってきている。米軍は、航空機による活動をするに当たっては、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)の目的の達成を図りつつ、周辺住民に対する騒音の影響をできるだけ軽減するよう最大限努力しているものと承知している。
 米軍の低空飛行訓練については、政府として、従来から、米側に対し、日米合同委員会における平成十一年一月十四日の在日米軍による低空飛行訓練に関する合意を遵守し、安全確保に万全を期するよう申入れを行ってきている。米軍も、この点には十分に留意しており、低空飛行訓練を行うに際し、最低安全高度に関する法令を含め、我が国法令を尊重し、安全面に最大限の配慮を払うとともに、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう努めている旨明らかにしている。
 今次合同委員会合意は、MV二二の運用に係る様々な事項について、これらの合意等も踏まえ、過去に日米合同委員会において在日米軍の特定の装備の運用に関して合意文書を作成した前例のない中で、安全性を最大限確保し、地元に与える影響を最小限にとどめる観点からの具体的な措置を定めたものである。
 MV二二の運用については、政府として、今次合同委員会合意を遵守し、安全性を最大限確保するよう米側に申し入れており、米側においても、今後も今次合同委員会合意を遵守するとともに、安全性を最大限確保し、地元に与える影響を最小限にとどめる旨を表明しているところであり、運用に係る個別具体的な事例についても、必要に応じて米側に申し入れていくこととしている。
 政府としては、引き続き、今次合同委員会合意等について地元の皆様に丁寧に説明するとともに、今次合同委員会合意が適切に実施されるよう、米側との間で必要な協議を行っていくことで、地元の皆様の理解を得ていきたいと考えている。