質問主意書

第181回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第七号

内閣参質一八一第七号
  平成二十四年十一月九日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員佐藤正久君提出韓国政府による竹島の管理強化策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員佐藤正久君提出韓国政府による竹島の管理強化策に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 御指摘の李明博大韓民国大統領による竹島上陸及び同大統領による天皇陛下に関する発言に関し、政府としては、大韓民国に対し、累次にわたり、玄葉光一郎外務大臣によるものを含め、様々なレベルで強く抗議し、謝罪と発言の撤回を求めてきているところであるが、外交上の個別のやり取りの詳細について明らかにすることは、同国政府との今後の外交上のやり取りに支障を来すおそれがあることから、お答えを差し控えたい。

三について

 御指摘の大韓民国国会国防委員会に所属する議員による竹島上陸は、竹島の領有権に関する我が国の立場に照らし受け入れられず、遺憾であり、累次にわたり、様々なレベルで大韓民国側に対して、かかる上陸を中止するよう強く抗議等を行うとともに、上陸後も抗議を行ったところである。

四について

 御指摘の大韓民国政府による竹島の土地への命名は、竹島の領有権に関する我が国の立場に照らし受け入れられず、遺憾であり、累次にわたり、様々なレベルで大韓民国政府に対して、かかる命名を中止するよう強く抗議等を行うとともに、命名後も抗議を行ったところである。政府としては、引き続き竹島問題に関する我が国の立場を主張し、御指摘のような国民への周知も含め、同問題の平和的解決を図る上で、有効な方策を不断に検討していく考えである。

五について

 お尋ねの大韓民国政府による竹島周辺における施設の建設に関する事実関係の詳細について明らかにすることは、今後の情報収集や相手国とのやり取り等に支障を来すおそれがあるため、差し控えたいが、当該施設の建築は、竹島の領有権に関する我が国の立場に照らし受け入れられず、遺憾であり、累次にわたり、様々なレベルで大韓民国政府に対して、かかる建設を中止するよう強く抗議等を行ってきている。

六について

 政府としては、引き続き竹島問題に関する我が国の立場を主張し、御指摘の点を含め、同問題の平和的解決を図る上で、有効な方策を不断に検討していく考えである。

七について

 我が国政府は、竹島問題について、国際法にのっとり、冷静、公正かつ平和的に紛争を解決するため、本年八月に、国際司法裁判所への提訴としての合意付託の提案及び日本国と大韓民国との間の紛争の解決に関する交換公文(昭和四十年条約第三十号)に基づく調停の提案を行ったが、大韓民国政府はこれを拒否した。このため、現在、国際司法裁判所への我が国単独での付託についても準備しているところであり、今後とも、情勢を総合的に判断して、このような措置を含め、適切な措置を検討していく考えである。

八について

 お尋ねの竹島への日本人の上陸者数について、政府として把握することは困難であるが、政府としては、我が国国民が大韓民国の出入国手続に従って竹島に入域することは好ましくないとの立場でありそのような入域を行わないよう、外務省のホームページ等を通じて国民の理解と協力を要請しているところである。

九について

 御指摘の「グーグルマップ」には、依然として竹島の正確な住所は表記されておらず、政府としては、グーグル株式会社に対して竹島の領有権に関する我が国の立場を踏まえた表記に改めるよう、引き続き申入れを行っていく考えである。

十について

 「実効支配」という言葉は様々に使われているが、国際法上、一般に、ある領域に対する領有権が法的に確立するためには「実効支配」が必要であるという文脈で用いられることが多い。尖閣諸島については、解決すべき領有権の問題がそもそも存在しないことから、政府としては、基本的に、「実効支配」という言葉を用いず、「有効に支配している」と説明しているところである。
 御指摘の記者会見における発言は、我が国として、大韓民国が竹島の領有権を有していることを認めるものではない。