質問主意書

第181回国会(臨時会)

質問主意書


質問第六二号

改造EV及びミニEVの導入支援の促進に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年十一月十六日

加藤 修一   


       参議院議長 平田 健二 殿



   改造EV及びミニEVの導入支援の促進に関する質問主意書

 閣議決定された日本再生戦略では、二〇二〇年の目標として、新車販売に占める次世代自動車の割合を最大五十パーセントにすることとされている。この戦略自体、日本経済を再生するために不可欠の施策である。しかし、電気自動車(EV)に代表される次世代自動車は高い価格、短い走行距離、充電インフラの未整備など課題解決には少なくとも数年の歳月が必要とされる。政府が補助金や減税で後押ししても、次世代自動車の新車販売に占める割合は十パーセント弱に過ぎない。庶民の手の届かないEVの購入支援だけでは次世代自動車戦略も戦略倒れになりかねない。
 地域社会でのガソリン車から電気自動車への移行は十~二十年単位でゆっくりと変動せざるを得ない。その間、ガソリンスタンドの激減、整備業者の撤退、部品メーカーの縮小など、ガソリン車に依存する関連業界の売上げ減はどうするのか。すそ野の広い自動車業界の雇用減など地域社会の疲弊は取り返しがつかない。しかし、現在の民主党政権ではこれらの問題解決に向けた積極的な対策は何ら採られていない。
 私はかねて、既存自動車からEVへの改造(以下「改造EV」という。)、特に地方発の改造EVの開発・販売を新たなビジネスとして構築すべきであると提案してきた。一昨年の第百七十六回国会の二本の質問主意書(第百七十六回国会質問第一七六号及び第一八九号)においても、「新車EVに限らず改造EVに対しても、投資促進や研究開発に関する支援策を講じるべき」、「政府は、新車EVに限らず改造EVにも、補助金を含めた政策資源を配分できるようにすべき」と主張したが、政府は「今後の市場の評価や需要の動向等を慎重に見極めて対応していく」との答弁を繰り返すにとどまった。
 最近のEV関係分野においては、ミニEVを地域内コミューター的存在として評価する動きも出ている。元気な地域づくりに貢献するEV及びミニEVの普及プロジェクトは、地域の自動車整備業の活性化と地方の雇用創出にも直結するグリーン成長戦略である。この観点から以下質問する。

一 改造EV及びミニEVの技術開発・販売の事業化に活路を開くため、改造EVの購入支援のための補助金制度を創設すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

二 低開発諸国では、自動車普及が加速度的に進んでいる一方、化石燃料が高騰化・逼迫していることから、次世代自動車だけでなく改造EVの世界市場化は必至と考える。また、ミニEVについても地域内コミューターになり得ると考える。これらに対する政府の見解を明らかにされたい。

三 ゴミ収集車や公用車などに改造EV及びミニEVを活用するため、地方公共団体などへの導入支援策を講じるべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

四 企業が地域内の配達や工場敷地内の運送・移動のために改造EVを導入することを支援するため、エコカー減税制度を創設すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

五 次世代自動車技術の普及のためには自動車整備業界での人材の育成が重要である。自動車大手メーカーを中心にブラックボックス化しているとされるEV技術を修得するため、改造EV試作車の実証開発などの研究支援事業を実施すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。