質問主意書

第181回国会(臨時会)

質問主意書


質問第五七号

子どもたちの健康を長期的に見守るための福島県民健康管理調査の一環で行われている甲状腺超音波検査を長期的に質の高いものとして維持するための取組に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年十一月十五日

秋野 公造   


       参議院議長 平田 健二 殿



   子どもたちの健康を長期的に見守るための福島県民健康管理調査の一環で行われている甲状腺超音波検査を長期的に質の高いものとして維持するための取組に関する質問主意書

 福島県において県民健康管理調査の一環として行われている甲状腺超音波検査では、対象となっている福島県内の子ども三十六万人のうち、これまで十万人が検査を終えており、これは医療スタッフと関係者の尽力によるところが大きい。
 しかも、高い精度管理を維持し、非常に多くの人数を対象とした検査体制を構築することが困難な状況下にありながら、福島県内の乳幼児から子どもに対する甲状腺検査の診断基準や判定基準が専門家の間でいち早く設定されるとともに、長期フォローのデータベース構築を目的として早期に精度の高い検査が開始されている。
 小児甲状腺超音波検査は、習熟した専門家が行うことが必要不可欠であり、今般の検査では、甲状腺関係の七学会の協力による超音波検査のトレーニングを終えた極めて質の高い専門家に参画して頂いているところである。
 今般の検査においては、現場で専門家による検査後、有所見の症例は福島県立医大における判定委員会において精査し、さらに外部判定委員会による協議を行うという二重三重の精査が行われることになっている。このような国内屈指の診断体制が構築されていることが、福島県民の安心・安全につながっている。
 一方、子ども・被災者支援法(本年六月成立)第十三条第二項において、少なくとも子どもに対する調査は生涯にわたって実施するとされていること、県内外で同様の検査体制が求められていることを受けて、十一月に県外避難者等に対する検査が宮城県等の自治体において指定医療機関で始まったことは評価すべきことである。
 しかしながら、各県で行われる予定の甲状腺検査についても判定委員会等による精査が行われること、また、福島県内においても迅速な検査実施が求められていることから、自己志願の専門家を前提とした所属学会ベースによる支援体制だけでは長期間かつ質の高い甲状腺検査を維持することは困難である。なかでも司令塔となる福島県立医大の専門家に関する人的支援については、長期間の事業である以上、これまで関わってきた医療スタッフが勤務する医療機関等の理解と協力が必要な時期となっている。
 そこで、子どもたちの健康を長期的に見守るための県民健康管理調査の一環で行われている甲状腺超音波検査を長期的に質の高いものとして維持する必要があるという観点から、以下質問する。

一 県民健康管理調査の一環として行われている甲状腺超音波検査については、国内屈指の極めて質の高いものとして評価しているが、政府の評価如何。

二 甲状腺超音波検査に協力している医療スタッフが、これからも安心して検査に関わることができるよう国として医療機関に対して正式に協力依頼を行うべきではないかと考えるが、政府の見解如何。

  右質問する。