質問主意書

第181回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二九号

医療保険における治療用装具に係る療養費の支給に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年十一月七日

浜田 昌良   


       参議院議長 平田 健二 殿



   医療保険における治療用装具に係る療養費の支給に関する質問主意書

 健康保険法等に基づく保険給付は、保険医療機関等からの現物給付として療養の給付を行うことを原則としている。それが困難である場合等で保険者がやむを得ないと認めるときは、療養の給付に代えて現金給付として療養費払いを行うことが認められている。療養費の支給対象となる治療用装具については、疾患又は負傷の治療遂行上必要な範囲のものに限られており、治療中の被保険者又は被扶養者(以下「被保険者等」という。)の請求に基づき、保険者において、医師の意見書、装具装着証明書、領収書等により治療遂行上必要な装具であることとともに、治療用装具を受注生産で装具業者に作らせて被保険者等に装着したものであることを審査し、その審査において認められた場合に療養費として支給することとしている。
 治療用装具の購入又は修理に際しては、通常、被保険者等が装具業者に費用を全額支払った後、被保険者等から保険者に対し、当該治療用装具の購入又は修理に要した費用について療養費の支給を申請することとしている。ところが、この償還払いでは、一時的であるとはいえ被保険者等が高額な費用を負担することとなり、また、療養費の申請から支給まで数か月間を要する場合もある。さらに、乳幼児あるいは児童等にあっては成長過程に応じた補装具が必要となるため、被保険者等にとって経済的負担の重い制度となっている。そのため、被保険者等の経済的負担の軽減を切望する多くの声が私宛てにも寄せられている。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 療養費の支給対象となる治療用装具及び療養費の支給対象とはならない治療用装具を示されたい。

二 医療保険の保険者別に療養費が被保険者等に支給されるまでに要する期間を明らかにされたい。

三 東日本大震災による被災者の治療用装具に係る療養費は、被保険者等の経済的負担の軽減を図る観点から、代理受領により、装具業者が被保険者等に代わり保険者から療養費を受給できることとされている。この代理受領に関して、震災特例の実施状況を踏まえ、対象者を被災者に限らずすべての被保険者等とすることについて、野田内閣はどのように検討しているか明らかにされたい。

四 被保険者等の経済的負担を軽減するため、既に出産育児一時金においては償還払いの外、直接支払制度や受取代理制度が設けられている。また、障害者自立支援法に基づく補装具費の支給に関しても、償還払い又は代理受領となっている。医療保険における治療用装具に係る療養費についても、他制度の例を参考に被保険者等の経済的負担を軽減することの必要性について、野田内閣としての見解を明らかにされたい。また、必要性を認識しているのであれば、いつまでに具体的な対策を講ずるのか明らかにされたい。

  右質問する。