質問主意書

第181回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一六号

原子力発電所再稼働の判断の主体についての原子力規制委員会と関係閣僚の発言の不整合に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年十一月二日

浜田 昌良   


       参議院議長 平田 健二 殿



   原子力発電所再稼働の判断の主体についての原子力規制委員会と関係閣僚の発言の不整合に関する質問主意書

 原子力規制委員会が発足したが、原子力発電所の再稼働の判断主体について、原子力規制委員会と関係閣僚からの発言に食い違いが生じている。
 九月二十一日の民主党代表再選後、野田総理は原子力発電所の再稼働について「原子力規制委員会が主導的な役割を果たす」との認識を示すとともに、「規制委が安全基準をしっかりまとめたうえで、それに基づいて判断する。これがルールになっている」、「政治が介入して何かを言うと独立性を損なってしまう」(九月二十二日付け日本経済新聞)と発言し、九月二十八日には、藤村官房長官が大飯原発再稼働を判断した関係閣僚会合は「臨時的に設けた」と位置付けた上で、「規制委ができたわけだから、正常な姿に戻す」と発言したとされている(九月二十九日付け朝日新聞)。
 しかし、十月三日の第三回原子力規制委員会において、田中委員長より「稼働すべきかどうかとか、稼働してほしいということについての説明とか、説得は行わない」、「それは、私たち委員会の役割ではない」との発言があり、島崎委員、大島委員、更田委員及び中村委員から同意見である旨の発言がなされている。
 これらの発言の整合性の無さについて、十月四日の東京新聞では、「宙をさまよう責任」との見出しで論評しており、多くの国民も、責任の所在を含めた民主党政権の原子力発電所の再稼働の在り方に不安を覚えている。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 原子力発電所の再稼働の判断の責任主体は誰か、明確にされたい。複数の主体が関与するのであれば、それぞれが責任を持つ判断の内容を明らかにされたい。

二 前記一の判断における、原子力規制委員会の役割はどこまでか、政府の見解を明らかにされたい。

三 枝野経済産業大臣は、九月二十八日の記者会見で、「地元の了解を得るという活動は、政府がやるのか、規制委員会がやるのか。」との質問に対し、「事業者がやる。」と答えているが、安全面以外についても、政府は地元の了解を得るための活動は行わないという趣旨か、明らかにされたい。

四 地元を含め国民の安全はもとより、最大限の安心を得るため、どのような主体が、どのような手順で再稼働を行うべきと考えているのか、今後の具体的なスケジュールの目途を含め、政府の方針を明らかにされたい。

  右質問する。