質問主意書

第181回国会(臨時会)

質問主意書


質問第七号

韓国政府による竹島の管理強化策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年十月三十一日

佐 藤 正 久   


       参議院議長 平 田 健 二 殿



   韓国政府による竹島の管理強化策に関する質問主意書

 韓国政府は、島根県隠岐郡隠岐の島町竹島を不法に占拠し、警察部隊の増強等を図るほか、宿泊施設やヘリポートなどの施設整備を進め、管理強化を進めている。
 本年八月十日、韓国の李明博大統領が竹島に上陸して以降、十月二十三日には、韓国国会国防委員会の議員団が上陸を強行し、韓国側の要人の上陸という事案が立て続けに起きている。また、韓国の国土地理情報院は、十月二十九日から竹島の峰等の地名を「于山峰」、「大韓峰」など韓国名に変更する等、強化策を次々と打ち出している。
 右の点を踏まえ、以下質問する。

一 韓国の李明博大統領の竹島上陸、及び同大統領の天皇陛下訪韓をめぐる非礼発言に対し、日本政府は謝罪と撤回を求めていたと承知しているが、日本政府の対応如何。また、このことに対し、韓国側からの回答状況について明らかにされたい。

二 前記一に関して、仮にいまだ韓国側から謝罪・撤回がない場合、今後の日韓関係に大きな影響を及ぼすと考えるが、これについて日本政府の見解如何。また、今後の日本政府の対応として、引き続き謝罪・撤回を求めていくのか、あるいは不問に付すのか、方針を示されたい。

三 本年十月二十三日の韓国国会国防委員会の議員団による竹島上陸は、日本政府の事前抗議にもかかわらず強行されたと認識しているが、これについて日本政府の見解を明らかにされたい。仮に強く抗議を続けていたら、今回の不法上陸は防げたとの認識はあるか。日本政府による抗議の事実関係を明らかにするとともに、日本政府の見解を示されたい。

四 韓国政府による竹島の道路等の命名があったとされているが、今般、新たに峰や岩にも命名し、本年十月二十九日から使用されるとの報道がある。これに関して日本政府の見解如何。また、これが事実なら抗議し、その事実を日本国民にも周知すべきと考えるが、日本政府の見解如何。

五 竹島近傍に建設が予定されているという韓国の総合海洋科学基地について、来年度の設置に向け、現在その建物部分は韓国本土で建築されており、工事の進捗として、本年十二月にほぼ完成、年明け以降、建物部分を竹島近傍に設置可能との情報もある。日本政府として、建物部分の建築状況をどのように評価し、それを阻止すべくどのような措置を行っているか、明らかにされたい。

六 韓国のテレビでは、竹島近傍の天気予報を日々放送しており、竹島を自国領として自国民の意識に浸透させるべく戦略的に行動を起こしている。日本政府として、マスコミ等に働きかけ、メディアで竹島近傍の天気予報を行うべきであると考えるが、日本政府の見解如何。

七 前記のように、韓国政府が竹島における管理強化を進めているにもかかわらず、日本政府は、竹島の領有権問題について、いまだ国際司法裁判所へ単独提訴していない。その理由として、提訴準備が整っていないため提訴できていないのか、あるいは韓国との外交関係改善の兆しが出てきたことによる提訴の先送りなのか、日本政府の見解を示されたい。仮に後者の立場であるならば、それら外交関係改善の兆しについて、日本政府の認識を明らかにされたい。

八 日本人が観光目的等で韓国経由で竹島に上陸しているが、一昨年及び昨年の日本人上陸者数について明らかにされたい。その許容の如何について、日本政府の見解を示されたい。もし日本政府が、日本人の韓国経由での竹島上陸に否定的立場であるなら、それを止めさせるためにどのような方策をとっているのか、明らかにされたい。

九 日本政府からグーグル株式会社に対し、Googleマップ/Earth上の竹島の住所表記が韓国表記であることについて修正を働きかけるよう要望してきたが、その結果について明らかにされたい。仮に日本の住所(島根県隠岐郡隠岐の島町竹島官有無番地)が表示されないのなら、引き続き、改善を求めるべきと考えるが、日本政府の見解如何。

十 本年十月一日の総理官邸における記者会見で、野田内閣総理大臣が「竹島は韓国に実効支配されているが、尖閣は日本が有効支配している」という旨の発言をした。国際法上にも歴史的にも、竹島及び尖閣諸島が我が国固有の領土であることは疑いないと述べているものの、竹島については韓国の不法占拠であり、尖閣諸島については我が国が実効支配しているというのが、我が国のこれまでの立場である。韓国の実効支配を認めるような発言は問題であると考えるが、政府の見解如何。また、尖閣諸島の「有効支配」とは「実効支配」とどう違うのか、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。