質問主意書

第181回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三号

特例公債法案が未成立の状況下での財務省証券の発行に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年十月二十九日

中村 哲治   


       参議院議長 平田 健二 殿



   特例公債法案が未成立の状況下での財務省証券の発行に関する質問主意書

 政府は、平成二十四年度における特例公債の発行等について定める「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案」(以下「特例公債法案」という。)の成立が見込めない状況が続いているとして、九月以降の一般会計予算の執行を抑制する方針を閣議決定した。そこで、財務省証券の発行に関する財政法の解釈について、以下のとおり質問する。

一 財政法第七条第一項では、「国は、国庫金の出納上必要があるときは、財務省証券を発行し又は日本銀行から一時借入金をなすことができる」と規定している。現在、特例公債法案が未成立であり、政府は、平成二十四年度一般会計予算の執行を抑制しているところであるが、当該規定における「国庫金の出納上必要があるとき」とは、どのような場合を想定しているのか。

二 財政法第七条第二項では、「前項に規定する財務省証券及び一時借入金は、当該年度の歳入を以て、これを償還しなければならない」と規定している。平成二十四年度一般会計予算の執行に当たり、特例公債法案が未成立の状況下において特例公債金を償還財源とする財務省証券を発行し、当該法案が成立した後、平成二十四年度の特例公債金により財務省証券を償還した場合であっても、当該規定に違反するのか。

三 政府は、特例公債法案が成立しない場合には、いかなる場合においても財務省証券を発行することができないと解釈しているのか。仮に、特例公債法案の成立に向けた政党間の合意があれば、財政法第七条第二項で規定する歳入として、特例公債の発行による歳入を見込むことができると解釈できるのではないか。

  右質問する。