質問主意書

第181回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二号

オスプレイの安全性と普天間飛行場配備に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年十月二十九日

糸数 慶子   


       参議院議長 平田 健二 殿



   オスプレイの安全性と普天間飛行場配備に関する質問主意書

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ(以下「オスプレイ」という。)に関し、沖縄県の仲井眞弘多知事が、多発した墜落事故等を指摘した上で安全性に問題があるとして配備に反対を表明したにもかかわらず、政府は本年九月十九日、機体の安全性には特段の問題はなく、本年モロッコ及びフロリダで発生した二件の墜落事故の再発防止策、運用に係る安全性等について十分確認されたとして、同日に発表された日米合同委員会合意(以下「日米合意」という。)が遵守され、地域住民の安全に対して最大限の配慮がなされるとの前提に立って、我が国におけるオスプレイの飛行運用を開始させることを発表した。これを受け、本年十月より普天間飛行場において運用が開始されたが、日米合意違反の飛行がなされているとの報道もある。よって、以下質問する。

一 オスプレイについては、本年七月及び九月に米国ノースカロライナにおいて緊急着陸をしたが、それらの原因は何か。また、どのような再発防止策がとられているのか。

二 日米合意においては、「安全上の理由のある場合を除き」、「可能な限り」、「運用上必要となる場合を除き」等例外を認める文言が使われているが、これで実効性が担保されると考えているのか。また、今回の日米合意では、平成八年三月の「嘉手納飛行場及び普天間飛行場における航空機騒音規制措置に関する合同委員会合意」、平成十一年一月の日米合同委員会合意「在日米軍による低空飛行訓練について」等を踏襲したものが多く見受けられるが、これらの過去の合意に比べて、安全性や県民の負担軽減の観点から、強化されたものがあるのか。

三 普天間飛行場に配備されたオスプレイの運用に関して、学校や病院を含む人口密集地域上空の飛行、米軍の施設及び区域外における垂直離着陸モードでの飛行等日米合意違反が目撃されている旨の報道があるが、政府としてこれらの飛行について米軍に確認を行っているのか。また、政府自ら飛行実態の調査を行っているのか。行っているのであればその内容を明らかにされたい。

四 琉球大学の渡嘉敷健准教授が本年十月一日から十三日にかけて普天間飛行場周辺で実施した騒音調査で、延べ十二機のオスプレイ全てで辺野古移設の環境影響評価の基準値(閾値)を上回る低周波音を測定したとの報道がある(平成二十四年十月二十二日付け毎日新聞)。政府としてもオスプレイ配備に伴う低周波音の測定を行っているのか。行っているのであれば測定値を明らかにされたい。また、低周波音への対策についてどのように考えているのか。

五 仲井眞沖縄県知事は、普天間飛行場に配備されたオスプレイの本土への配置分散を要望しているが、政府はどのように対応するのか。

六 オスプレイの本土への訓練移転はどのように行われるのか、政府の方針を明らかにされたい。

七 普天間飛行場周辺において、地域住民らが風船やたこを揚げてオスプレイの飛行を妨害する行動に対し、航空法や刑法等の適用を検討している旨の報道があるが、事実か。また、このような行動に対し現行法令において適用可能なものも、併せて示されたい。

八 配備後、初の夜間訓練飛行を実施した本年十月二十三日午後八時五十五分に、宜野湾市上大謝名公民館で記録した九十二・〇デシベル(沖縄県及び宜野湾市の調査)の騒音に対する政府の見解を示されたい。

九 防衛省の武田博史沖縄防衛局長は本年十月二十五日の定例記者会見において、オスプレイが人口密集地や学校上空などを通過したり、基地外をヘリモードで飛行したりするなど日米合意に違反するケースが多く目撃されていることについて「直ちに違反するというものは確認していない」と述べた(十月二十六日付け沖縄タイムス)。武田局長の発言による「直ちに違反するもの」とはいかなる飛行コース、飛行状態等を指すのか、政府の見解を明らかにされたい。また、「違反の確認」を行う方法及び「違反」が確認された場合の対応につき、政府の方針を明らかにされたい。

  右質問する。