質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第二五〇号

内閣参質一八〇第二五〇号
  平成二十四年九月十四日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員紙智子君提出タバコに含まれる放射性物質ポロニウムに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員紙智子君提出タバコに含まれる放射性物質ポロニウムに関する質問に対する答弁書

一について

 たばこの煙中に含まれるポロニウムの吸入による喫煙者及び受動喫煙者の健康への影響については、今後、厚生労働省において、たばこに含まれる個々の成分を分析し、医学的知見を踏まえた上で外部有識者の意見も聴きながら検証を行い、その結果を公表していきたい。一方、たばこが健康に大きな影響を与えることは医学的に明らかであり、がん等を予防する観点から対策を進めることは重要な課題であると認識している。政府としては、平成二十四年六月に「がん対策推進基本計画」を閣議決定し、平成三十四年度までに行政機関、医療機関等での受動喫煙の機会を有する者の割合を減少させることを目標とするなど、受動喫煙対策等を推進することにしている。

二について

 たばこの煙中に含まれるポロニウムの吸入による健康影響に関する医学的知見が十分でないことから、これまでたばこ製造業者等に対してその除去を求めてきていない。今後については、一についてで述べた分析結果を踏まえながら、必要な検討を行っていきたい。

三について

 たばこの煙中にポロニウムが含まれていることについては、昭和六十二年及び平成五年に厚生省(当時)が編集した「喫煙と健康 喫煙と健康問題に関する報告書」において記載している。
 たばこに係る注意表示については、たばこ事業法(昭和五十九年法律第六十八号)第三十九条第一項において、消費者に対し製造たばこの消費と健康との関係に関して注意を促すための文言の表示を義務付けている。たばこの煙中に含まれるポロニウムについては、健康影響について、医学的知見が十分ではないことから、現時点ではその含有を表示させることは考えていないが、今後、一についてで述べた分析結果を踏まえながら、必要な検討を行っていきたい。