質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第二四五号

内閣参質一八〇第二四五号
  平成二十四年九月十一日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員浜田昌良君提出公債特例法案の成立の遅れに伴う予算執行抑制の妥当性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田昌良君提出公債特例法案の成立の遅れに伴う予算執行抑制の妥当性に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、「九月以降の一般会計予算の執行について」(平成二十四年九月七日閣議決定)に基づき、特例公債金が財源となる全ての経費について、原則、予算執行の抑制を図ることとしている。
 執行が抑制される予算の項及びその金額については、その整理に膨大な作業を必要とし、また、同閣議決定は財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案(以下「特例公債法案」という。)の成立が見込めない状況の下での予算執行の方針を定めたものであることから、網羅的にお示しすることは困難であるが、現時点では、九月分としては(項)地方交付税交付金などにおいて三兆円程度を見込んでいる。

二について

 財務省証券の平成二十四年八月末現在の発行残高は一兆円である。
 国庫の資金繰りは、税収や歳出の動向等により大幅に変動するものであり、今後の財務省証券の発行残高及び募入平均利回りの見通しについて確たることを申し上げることは困難である。

三について

 平成元年以降の各年度の一般会計予算総則における財務省証券(平成十三年一月五日以前は大蔵省証券。以下同じ。)の発行最高額及び実際の発行残高の最高額は、次のとおりである。
 財務省証券の発行最高額 平成元年度 十二兆九千億円、平成二年度 十四兆二千億円、平成三年度 十五兆千億円、平成四年度 十五兆五千億円、平成五年度 十五兆六千億円、平成六年度 十九兆三千億円、平成七年度 十九兆三千億円、平成八年度 二十兆五千億円、平成九年度 二十一兆千億円、平成十年度 二十一兆二千億円、平成十一年度 二十四兆円、平成十二年度 二十五兆円、平成十三年度 二十四兆五千億円、平成十四年度 二十四兆円、平成十五年度 二十四兆円、平成十六年度 二十四兆円、平成十七年度 二十四兆円、平成十八年度 二十四兆円、平成十九年度 二十兆円、平成二十年度 二十兆円、平成二十一年度 二十兆円、平成二十二年度 二十兆円、平成二十三年度 二十兆円、平成二十四年度 二十兆円
 財務省証券の実際の発行残高の最高額 平成元年度 八兆四千九百億円、平成二年度 十一兆八千二百億円、平成三年度 十兆四千九百六十億円、平成四年度 十兆九千七百八十億円、平成五年度 十二兆七千八百億円、平成六年度 七兆八千七百八十億円、平成七年度 八兆千五百十億円、平成八年度 五兆千八百四十億円、平成九年度 八兆千五百八十億円、平成十年度 十三兆二千六十億円、平成十一年度 十三兆五千百九十億円、平成十二年度 十一兆二千四百二十五億円、平成十三年度 七兆二千九百八十九億円、平成十四年度 七兆二千九百七十一億円、平成十五年度 十兆五千四百八億円、平成十六年度 六兆四千九百九十九億円、平成十七年度 五兆二千九百八十三億円、平成十八年度 四兆九百九十九億二千万円、平成十九年度 五兆四千九百九十九億千万円、平成二十年度 七兆二千九百九十九億円、平成二十一年度 九兆四千九百九十九億五千万円、平成二十二年度 三兆九千億円、平成二十三年度 十二兆円
 特例公債の発行に係る法案が成立しない場合には、当該法案に基づく歳入を見込むことができない。また、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第七条第二項において、財務省証券はその発行年度の歳入をもって償還しなければならないことが規定されている。これらを踏まえると、財務省証券の発行は、特例公債法案に基づく歳入を見込むことができず、かつ、当該歳入以外にもその償還のための財源が確保できていない状況では、財政法上許容されないと考えている。

四について

 平成二十四年度及び平成二十五年度における基礎年金の国庫負担の追加に伴い見込まれる費用の財源を確保するため、平成二十四年度における公債の発行の特例に関する法律案について、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律(平成二十四年法律第六十八号)の施行により増加する消費税の収入を償還財源とする公債の発行等に係る規定を加える等の法律案中修正を行ったところであり、当該公債の発行による収入を歳入計上し、当該公債発行収入金に相当する額を年金特別会計厚生年金勘定等に繰り入れる等のため、財政法第二十九条の規定に基づき、補正予算を今年度内に編成する必要があると認識していた。
 補正予算の編成時期等については、経済情勢や財政状況等を踏まえつつ判断していくものであり、現時点で、予断を持ってお答えすることはできない。