質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第二一〇号

内閣参質一八〇第二一〇号
  平成二十四年八月十日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員山谷えり子君提出慰安婦問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山谷えり子君提出慰安婦問題に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の碑に関し、政府として、米国ニューヨーク州ナッソー郡関係者等に対し、慰安婦問題についての我が国の立場等を申し入れている。

二について

 お尋ねの博物館の開設のために、我が国の民間の団体等が寄附を行っていることは承知しているが、このような民間の団体等の活動について、政府としてお答えする立場にない。

三について

 政府は、慰安婦問題について、御指摘の調査を行い、平成五年八月四日の内閣官房長官談話により政府の基本的立場を表明している。当該調査の結果及び当該内閣官房長官談話を外務省ホームページに掲載するとともに、基本的立場について在外公館による説明、国際会議における発言等を行い、対外発信に努めているところである。

四について

 教科用図書の検定は、申請図書の具体的な記述について、教科用図書検定基準等に従い、教科用図書検定調査審議会の調査審議に基づいて、検定の時点における客観的な学問的成果、適切な資料等に照らして記述の欠陥を指摘することを基本として実施しているものであり、国が特定の歴史認識や歴史事実を確定するという立場に立って行うものではない。学習指導要領を踏まえどのように記述するかについては、欠陥のない範囲において、申請図書の著作者等の判断に委ねている。したがって、御指摘の教科用図書の記述において誰によって「かりだされた」かについて述べていないことに関し、お尋ねの認識及び懸念に対する考えについては、お答えを差し控えたい。なお、本年度から使用されている中学校の教科用図書については、平成二十二年度の検定における申請図書に、慰安婦に関する記述がなかったものである。