質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第二〇五号

内閣参質一八〇第二〇五号
  平成二十四年八月三日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員山谷えり子君提出体外受精培養液中に含まれる化学物質の安全性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山谷えり子君提出体外受精培養液中に含まれる化学物質の安全性に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の厚生労働科学研究費補助金による「化学物質の子どもへの健康影響に関するエピジェネティクス評価法の開発に関する研究」(以下「評価法開発研究」という。)の平成二十年度から平成二十二年度までの総合研究報告書及び同年度の総括・分担研究報告書(以下「総合研究報告書等」という。)によると、一部の人工授精用の培養液から妊婦の血清中濃度の平均値と比較して数十倍の濃度のフタル酸エステル類が検出され、また、妊婦の血清中濃度の平均値と比較して十倍の濃度のフタル酸エステル類を、マウスの胚性幹細胞に暴露させたときには遺伝子の活性の変化が観察されたが、ヒト人工多能性幹細胞に暴露させたときには遺伝子の活性の変化は観察されなかった。これらのことを踏まえ、厚生労働省としては、引き続き、化学物質の子供への影響評価に関する研究を実施し、知見の集積に努めていきたい。

二について

 お尋ねの人工授精用の培養液が全部で何種類あるかは把握していないが、総合研究報告書等によると、評価法開発研究で用いた培養液は五十九種類であり、当該培養液のうち、三十九種類の培養液で正常妊娠の妊婦の血清中濃度の平均値と比較して十倍以上の濃度のフタル酸エステル類が検出された。

三について

 厚生労働省としては、化学物質の子供への影響評価や体外受精により生まれた子の発達や発育の状況について、厚生労働科学研究費補助金により調査研究を実施しており、当該調査研究等を通じて、体外受精の安全性について、引き続き、知見の集積に努めていきたい。