質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第一八一号

内閣参質一八〇第一八一号
  平成二十四年七月十七日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員山谷えり子君提出次世代スーパーコンピュータ「京」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山谷えり子君提出次世代スーパーコンピュータ「京」に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘のスーパーコンピュータ「京」(以下単に「「京」」という。)の開発を行った「次世代スーパーコンピュータ・プロジェクト」(以下単に「プロジェクト」という。)においては、これを開始した平成十八年度の時点で、十ペタフロップス級の演算性能を有し、汎用性を重視した世界最先端・最高性能の次世代スーパーコンピュータを平成二十四年度までに開発・整備することとしていたものであり、平成二十一年に実施された行政刷新会議の事業仕分け(以下単に「事業仕分け」という。)の評価等を踏まえ、開発・整備の方針を開発側から利用側の視点に立つものに転換し、平成二十二年度予算の概算要求において要求していた開発・整備の加速に要する経費を削減するなどの見直しを行ったが、これにより、十ペタフロップス級の演算性能を有する次世代スーパーコンピュータを開発・整備するという点に変更を加えたものではなく、平成二十三年十一月、「京」において十ペタフロップス級の演算性能を実現したところであり、御指摘の「今回二位という結果となったこと」が事業仕分けによるものであるとは考えていない。

二について

 御指摘の「我が国における次世代スーパーコンピュータシステムの開発の意義」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、プロジェクトは、計算科学技術を更に発展させ、広範な分野の研究及び産業における幅広い利用のための基盤を提供することにより、我が国の競争力の強化に資するとともに、多様な分野で社会に貢献する研究成果を挙げること、並びに我が国において、継続的にスーパーコンピュータを開発していくための技術力を維持及び強化すること等の意義があると考えている。

三について

 「京」の共用開始後は、「京」を含む我が国の主要なスーパーコンピュータ等を国全体の研究開発基盤として機能させることが重要であると考えており、文部科学省において実施している「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ計画」(以下「HPCI計画」という。)において、「京」や東京大学等全国の九つの大学が保有するスーパーコンピュータ等をネットワークで結ぶとともに、これらのスーパーコンピュータ等を一つのユーザーアカウントにより利用するなどできるようにするシステムを構築し、その共用を平成二十四年九月末に開始することを予定している。
 また、同省において、今後十年程度を見据え、「今後のHPCI計画推進のあり方に関する検討ワーキンググループ」を開催して今後のHPCI計画推進の在り方を検討しているところであり、将来のHPCI計画推進の在り方について、平成二十五年夏ごろまでに中間取りまとめを行うべく、調査・検討を進めていくこととしている。