質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第一七三号

内閣参質一八〇第一七三号
  平成二十四年七月十三日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員秋野公造君提出伝統ある国産麦栽培を守るためのカラスムギによる雑草害対策の強化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員秋野公造君提出伝統ある国産麦栽培を守るためのカラスムギによる雑草害対策の強化に関する質問に対する答弁書

一について

 小麦等のほ場にカラスムギの種子が侵入する原因は、当該ほ場周辺のけい畔又は法面に生育しているカラスムギの種子が当該ほ場内に飛散すること、カラスムギが生育した他のほ場で使用した農業機械をカラスムギの種子が付着したまま当該ほ場で使用すること等であると考えている。

二について

 カラスムギによる被害を抑制するためには、一か月間程度、ほ場を常時湛水する手法が最も有効であると考えている。しかしながら、そのような手法を採れないほ場においては、ほ場の表土と下層の土を入れ替え、カラスムギの種子を土中に埋め込む手法のほか、夏期にほ場の耕起を行わず、又はほ場に石灰窒素を散布し、小麦等の播種前にカラスムギを出芽させた後に、当該ほ場の耕起を行い、又は当該ほ場に除草剤を散布する手法が有効であると考えている。

三について

 一般論としては、カラスムギの種子が侵入したほ場において、二についてで述べた手法による対策を講じていない場合には、被害が拡大する可能性があるが、周囲のほ場において除草を適切に行えば、侵入し生育したカラスムギをその際に取り除くことができるため、カラスムギによる被害が周囲のほ場に拡大することはないと考えている。

四について

 農林水産省としては、小麦等の生産におけるカラスムギによる被害の実態について調査を行い、その結果を踏まえ、必要に応じ、被害の拡大を防止する手法を検討し、被害が生じた地域の農業者等に対して技術指導等を行っていく考えである。