質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第一六五号

内閣参質一八〇第一六五号
  平成二十四年七月六日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員佐藤正久君提出航空自衛隊次期主力戦闘機F―35の導入に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員佐藤正久君提出航空自衛隊次期主力戦闘機F―35の導入に関する質問に対する答弁書

一について

 平成二十四年度予算に計上している次期戦闘機F―三五A四機について、米国の有償援助により平成二十八年度末までに納入されるためには、その製造に要する期間だけでなく、引合受諾書への署名後に同国政府がF―三五Aを製造する企業と契約を締結するための手続に要する期間も考慮して、平成二十四年六月末までに引合受諾書への署名が完了する必要がある旨、同国政府から説明を受け、同月二十九日、引合受諾書に署名したところである。

二及び九について

 今般署名した引合受諾書においては、ブロック3ソフトウェアを搭載していることを含む機体の仕様、二千十七年三月三十一日までとする納入予定時期、機体本体、エンジン、その他の装備品等の価格等が記載されており、また、納入地については、納入される機体を用いた教官操縦士の養成を米国内で行うことも視野に入れ、未定とされているが、記載事項の詳細については、同国政府から非公表とすることとされており、お答えできない。
 なお、当該引合受諾書に署名したこと及びその概要については、平成二十四年六月二十九日に公表したところである。

三について

 米国の有償援助においては、同国政府による運用試験・評価が完了せず、量産段階に移行していない装備品については、原則として、販売しない方針となっており、その場合、同国政府は当該装備品の販売に係る引合受諾書に署名しないものと承知している。しかしながら、今般、同国政府はF―三五Aに係る引合受諾書に署名しており、我が国へのF―三五Aの販売については、既に、当該方針を免除する手続が米国政府内で完了しているものと承知している。

四について

 今般の次期戦闘機の機種選定においては、我が国は、提案者に対し、提案内容の厳守を求めてきているだけでなく、機種選定後の平成二十四年一月下旬には、米空軍参謀長より、提案内容を厳守する旨の航空幕僚長宛ての誓約書を受領している。
 また、同年五月二十二日から二十六日までの間、神風防衛大臣政務官が訪米し、防衛省の要求する平成二十九年三月末までに米側の提案内容どおりの機体を納入するよう要請したのに対し、米側からは提案内容の実現に全力を尽くす旨発言があった。
 さらに、防衛省は、平成二十四年六月下旬に、米国国防省のF―三五開発責任者より、平成二十九年三月末までにブロック3ソフトウェアを搭載した航空機を納入する旨のレターを改めて受領している。
 こうしたことから、防衛省の要求する期限までに、ブロック3ソフトウェアの搭載も含め、同省の要求する性能を備えた機体が納入されるものと考えている。政府としては引き続き、防衛省の要求する期限までに米側の提案内容どおりの機体を納入するよう米国へ要請していくこととしている。

五について

 今般署名した引合受諾書には、平成二十四年度予算に計上したF―三五A四機に係る初度部品及びランチャー、パイロン等の装備品の調達が含まれているが、ミサイル等の弾薬の調達は含まれていない。ミサイル等の弾薬の調達時期については、現時点で決まっていない。

六及び七について

 「中期防衛力整備計画(平成二十三年度~平成二十七年度)」(平成二十二年十二月十七日閣議決定。以下「中期防」という。)では、その期間中にF―三五Aを十二機整備することとされており、平成二十四年度予算にはこのうち四機分の取得関連経費を計上した。
 平成二十五年度以降の機体の調達については、F―四戦闘機の減勢状況、財政状況、F―三五の開発状況等を総合的に勘案し、検討することとなる。なお、日本国内におけるF―三五Aの最終組立・検査(以下「FACO」という。)については、同年度から開始できる旨の提案が米国政府から行われており、現在提案の実現に向け米国政府等との間で協議・交渉を行っているところである。
 また、F―三五Aの製造に係る我が国国内企業の参画の在り方については、米国政府等との間で協議・交渉を行っているところであるが、防衛省としては、できる限り多くの国内企業が参画できるよう配意してまいりたい。なお、FACOは機体の各構成品の最終組立を行い、検査するという一連の作業工程からなるものであり、防衛省としては三菱重工業株式会社が担うことを想定し、協議・交渉を行っているところである。

八について

 中期防の期間中に整備することとされているF―三五A十二機のうち、平成二十四年度予算に基づき調達する四機を除く八機については、平成二十五年度以降に契約手続を行うこととなる。