質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第一六四号

内閣参質一八〇第一六四号
  平成二十四年七月六日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員横山信一君提出PCB廃棄物の保管状況等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員横山信一君提出PCB廃棄物の保管状況等に関する質問に対する答弁書

一について

 ポリ塩化ビフェニル廃棄物(ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(平成十三年法律第六十五号。以下「特別措置法」という。)第二条第一項に規定するポリ塩化ビフェニル廃棄物をいう。以下同じ。)について、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「廃棄物処理法」という。)第十二条の二第二項に規定する特別管理産業廃棄物保管基準に適合しない保管を行った事業者に対して廃棄物処理法第十九条の三の規定に基づき改善命令が行われた件数については、環境省の産業廃棄物行政組織等調査によれば、平成二十一年度は二件である。これらの事案については、いずれも当該事業者において適切に改善措置が講じられたと承知している。

二について

 日本環境安全事業株式会社(以下「会社」という。)におけるポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理料金については、処理施設の建設、維持管理等の必要経費を勘案して会社が設定したものと承知している。

三について

 ポリ塩化ビフェニルが使用されている蛍光灯安定器が廃棄物となったもの(以下「廃蛍光灯安定器」という。)を保管する事業者から、特別措置法第八条の規定に基づき都道府県知事及び特別措置法第十九条第一項に規定する政令で定める市の長に届け出られた廃蛍光灯安定器の保管量については、平成十九年度末時点で約六百九万個、平成二十年度末時点で約六百十三万個、平成二十一年度末時点で約六百十二万個と承知しており、大きな変化は生じていない。

四について

 政府としては、これまでも廃蛍光灯安定器を処理する施設の整備を推進してきたところであり、平成二十一年七月から会社の北九州事業所において廃蛍光灯安定器の処理が始まっている。今後とも、廃蛍光灯安定器の処理が着実に行われるよう処理体制の確保に取り組んでいくこととしている。

五について

 お尋ねの廃蛍光灯安定器の分解又は解体(以下「分解等」という。)については、環境省において「PCBが使用された廃安定器の汚染事例等について」(平成二十二年九月三日付け環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課事務連絡)により、ポリ塩化ビフェニルの飛散等を避ける観点から廃蛍光灯安定器の分解等を行わずに保管することが望ましいこと等について、地方公共団体に対して情報提供を行っているが、廃蛍光灯安定器の分解等が行われる事例が発生していることを踏まえ、同省の「PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会」において、廃蛍光灯安定器の分解等について、法令上の取扱いの明確化や周辺環境への影響のない方法に関する検討の必要性が議論されているところである。

六について

 東日本大震災の被災地におけるポリ塩化ビフェニル廃棄物の保管の状況については、関係県市の調査によれば、平成二十四年四月二十七日時点で、青森県、岩手県、宮城県及び福島県の区域内においてトランス四十一台、コンデンサ百五十九台が保管場所にないことが確認されていると承知している。

七及び八について

 東日本大震災で発生した瓦礫の中のポリ塩化ビフェニル廃棄物の取扱い等に関する留意事項等については、環境省において「廃石綿やPCB廃棄物が混入した災害廃棄物について」(平成二十三年三月十九日付け環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課事務連絡)等により、関係地方公共団体に対して情報提供を行うとともに、同省のホームページに掲載して周知を図っている。東日本大震災の被災地においては、これらの留意事項等を参考にして、ポリ塩化ビフェニル廃棄物が取り扱われていると認識している。