質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第一五四号

内閣参質一八〇第一五四号
  平成二十四年六月二十九日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員秋野公造君提出地球深部探査船「ちきゅう」号を用いたメタンハイドレート採掘試験に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員秋野公造君提出地球深部探査船「ちきゅう」号を用いたメタンハイドレート採掘試験に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 メタンハイドレートからメタンガスを効率的に分離して回収する方法については、これまでの陸上における産出試験の結果等から、いわゆる減圧法が有効であると考えているが、減圧法が海洋においても有効かどうかを確認するため、平成二十四年度にいわゆる東部南海トラフ海域において減圧法による産出試験を行うこととしているところであり、当該産出試験においては、減圧法以外の方法を用いることは想定していない。

三について

 御提案の技術が有効であるか否かは不明であるが、メタンハイドレートからメタンガスを効率的に分離して回収するためには、減圧法と減圧法以外の方法を組み合わせる必要があると考えており、メタンハイドレートに二酸化炭素を圧入し、二酸化炭素とメタンガスを置換する技術等についても研究開発を進めている。

四について

 メタンハイドレートの商業化を実現するためには、産学官の連携の下、技術的な課題を一つ一つ解決していくことが必要であると考えており、「海洋基本計画」(平成二十年三月十八日閣議決定)及びこれに基づき経済産業省が平成二十一年三月二十四日に策定した海洋エネルギー・鉱物資源開発計画に基づき、引き続き、産学官の連携の下、平成三十年度をめどにメタンハイドレートの商業化の実現に向けた技術を整備することを目指して研究開発を進めてまいりたい。

五について

 現在のところ、お尋ねの地球深部探査船を新たに建造する予定はない。また、御指摘の「日本再生重点化措置」による予算配分の重点化等の検討を行う予算編成に関する政府・与党会議において、「海洋探査船舶は、効率的な事業実施の観点から、既存船舶を改造」すべきとの評価が示されたところであり、これを踏まえ、平成二十四年度予算においては、お尋ねの海洋資源調査研究船の建造費を計上していない。

六について

 お尋ねの「資源大国」の意味するところが必ずしも明らかではないが、メタンハイドレートについては、我が国周辺海域において相当の量が賦存していることが見込まれており、その商業化は、国際情勢に影響されない安定したエネルギー供給源として、エネルギー自給率の向上に寄与することから、我が国のエネルギーの安定供給にとって重要であるとともに、産油国等に対する我が国の交渉力の向上に資すると考えている。