第180回国会(常会)
答弁書第一三二号 内閣参質一八〇第一三二号 平成二十四年六月十二日 内閣総理大臣 野田 佳彦
参議院議長 平田 健二 殿 参議院議員佐藤正久君提出大陸棚延伸に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員佐藤正久君提出大陸棚延伸に関する質問に対する答弁書 一について 海洋法に関する国際連合条約(平成八年条約第六号)第七十六条8に規定する大陸棚の限界に関する委員会(以下「大陸棚限界委員会」という。)は、我が国の大陸棚の外側の限界を二百海里を超えて設定すること(以下「大陸棚延長」という。)に関する申請に対し、南硫黄島海域、小笠原海台海域、沖大東海嶺南方海域、四国海盆海域、南鳥島海域及び茂木海山海域に関する勧告を平成二十四年四月二十日(日本時間)に行い、我が国は同月二十七日(日本時間)に同勧告を受領した。 二について 今回、沖ノ鳥島を基点とする大陸棚延長を申請した四国海盆海域の大部分を含む合計約三十一万平方キロメートルの我が国の大陸棚延長の勧告が、大陸棚限界委員会によって行われたことは、高く評価している。 一方、南硫黄島海域、小笠原海台海域、沖大東海嶺南方海域及び四国海盆海域に関してはその一部について、南鳥島海域及び茂木海山海域に関してはその全部について、我が国の大陸棚延長に関する申請どおりに勧告が行われなかったが、これらの海域については、対応を検討中である。また、九州・パラオ海嶺南部海域については勧告そのものが行われなかったが、当該海域については、早期に勧告が行われるよう努めていく考えである。 以上のことから、今回の大陸棚限界委員会による勧告は、全体として、我が国の海洋権益の拡充に向けた重要な一歩であると評価している。 三について 今回の勧告は、大陸棚延長に関するものであり、排他的経済水域及び大陸棚に関する法律(平成八年法律第七十四号)第一条第二項の規定に基づく我が国の排他的経済水域の総面積は、従来どおり約四百五万平方キロメートルである。我が国の大陸棚については、現在は排他的経済水域とほぼ同じ総面積であるが、今回の勧告を踏まえ、同法第二条の規定に基づき、外側に接する海域を新たに設定することにより、その総面積が最大で約三十一万平方キロメートル広がることになる。 大陸棚延長に関する国民への周知については、総合海洋政策本部等のホームページを通じ、また、海洋の状況及び海洋に関して講じた施策についての年次報告等を取りまとめる中で、適切に対応していく考えである。 |