質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第一一二号

内閣参質一八〇第一一二号
  平成二十四年五月二十五日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員秋野公造君提出安全で快適な自転車通行空間の整備の推進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員秋野公造君提出安全で快適な自転車通行空間の整備の推進に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 お尋ねについては、国土交通省及び警察庁が共同で開催した「安全で快適な自転車利用環境の創出に向けた検討委員会」が平成二十四年四月に取りまとめた「みんなにやさしい自転車環境―安全で快適な自転車利用環境の創出に向けた提言―」を踏まえ、両省庁において自転車ネットワーク計画の作成手順や、車道の端部の路面の平坦性を確保し、集水ます等を滑りにくい構造とすることなど自転車通行空間の設計の考え方等を示すガイドラインについて検討しているところであり、引き続き、関係行政機関等と連携しながら、各地域における自転車ネットワーク計画の作成を促進するとともに、自転車通行空間の整備を図ってまいりたい。

三について

 自動車及び原動機付自転車は、左折するために道路の左側端に寄るとき等を除き、自転車専用通行帯(都道府県公安委員会が、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第四条第一項及び第二項の規定に基づき、同法第二十条第二項の規定により普通自転車が通行しなければならず他の車両(軽車両を除く。)が通行してはならないこととされる車両通行帯として指定するものをいう。以下同じ。)を通行してはならないとされている。
 また、自転車専用通行帯が設けられている道路の区間について、都道府県公安委員会が、同法第四条第一項及び第二項の規定に基づき、同法第四十四条の規定による駐停車禁止の交通規制を実施している場合は、当該道路の区間においては、車両は停車し又は駐車してはならず、同法第四十五条第一項の規定による駐車禁止の交通規制を実施している場合は、当該道路の区間においては、車両は駐車してはならないとされている。
 警察庁においては、都道府県警察に対し、自転車専用通行帯を指定するに当たっては、自転車専用通行帯を指定する道路の区間における駐車需要、車両の交通量等を勘案しつつ、駐停車禁止又は駐車禁止の交通規制を実施する必要性についても適切に検討するよう指導しているところである。

四について

 政府としては、都市間を結ぶ路線における自転車道等の自転車通行空間の整備については、各地域において、必要に応じ、観光振興等の地域の課題やニーズを踏まえ検討されることが重要であると考えている。

五について

 政府としては、学校と公共交通施設等を結ぶ路線や、自転車に係る事故が多い路線等において、歩行者、自転車等の多様な利用者が安全に安心して共存できるよう、各地域において、自転車道等の自転車通行空間の整備が検討されることが重要であると考えている。

六について

 現時点においては、自転車利用者に対して自動車損害賠償責任保険のような保険を提供し、その契約の締結を義務付けることについては、これによる負担の増加に対する理解が得られるか議論を要するほか、公正な保険料率を算出し、保険契約の締結を担保する上で必要となる自転車の利用実態等の把握を正確に行うことができないため、困難であると考えている。なお、自転車の交通事故により被保険者が損害賠償の責任を負うことによって生ずることのある損害を填補する保険については、保険会社が取り扱っているものと承知している。