質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第一〇五号

内閣参質一八〇第一〇五号
  平成二十四年五月十八日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員佐藤正久君提出尖閣諸島の呼称に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員佐藤正久君提出尖閣諸島の呼称に関する質問に対する答弁書

一について

 尖閣諸島には、魚釣島、北小島、南小島、久場島、大正島、沖ノ北岩、沖ノ南岩、飛瀬等が存在している。これらの呼称は、地元で呼ばれている名称を地方公共団体に調査し使用しているものである。

二について

 中国政府が、尖閣諸島について、「釣魚島」、「北小島」、「南小島」、「黄尾嶼」、「赤尾嶼」等の名称を使用していることは承知しているが、中国側が行っている尖閣諸島に関する独自の主張は、国際法上、領有権の主張を裏付ける有効な論拠を欠くと考えている。尖閣諸島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、現に我が国はこれを有効に支配している。したがって、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない。

三について

 お尋ねの「その歴史的根拠及び政府公式文書で島名を「赤尾嶼」及び「黄尾嶼」と記載した事例」について網羅的にお答えすることは、詳細かつ膨大な作業が必要となるため困難であるが、久場島及び大正島について、例えば、旧海軍省水路部が明治四十年に刊行した海図には黄尾嶼及び赤尾嶼の表記が使用されたほか、旧参謀本部陸地測量部が昭和八年に刊行した地形図及び昭和九年に刊行した地勢図には黄尾嶼及び赤尾嶼の表記が使用されたと承知している。

四について

 先の答弁書(平成二十二年十月十二日内閣参質一七六第九号)一及び二についてでお答えしたとおり、黄尾嶼及び赤尾嶼という呼称も、我が国において従来から使用されてきているものであり、また、「黄尾嶼射爆撃場」及び「赤尾嶼射爆撃場」は、昭和四十七年五月十五日に開催された、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)第二十五条1の規定に基づき設置された合同委員会において、これらの射爆撃場について同協定第二条1(a)の規定に基づき米軍による使用が許されることが合意された際に用いた名称であり、「黄尾嶼射爆撃場」及び「赤尾嶼射爆撃場」の名称が不適切であるとは考えていない。