第180回国会(常会)
答弁書第七三号 内閣参質一八〇第七三号 平成二十四年四月十日 内閣総理大臣 野田 佳彦
参議院議長 平田 健二 殿 参議院議員福島みずほ君提出秘密取扱者適格性確認制度に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員福島みずほ君提出秘密取扱者適格性確認制度に関する質問に対する答弁書 一について 御指摘の秘密取扱者適格性確認制度は、外国情報機関による我が国に対する情報収集活動が行われる中で、我が国の重要な情報を保護するため更なる対策の強化が必要であることから、特別に秘匿すべき情報(以下「特別管理秘密」という。)について厳格な管理を行うため、「カウンターインテリジェンス機能の強化に関する基本方針」(平成十九年八月九日カウンターインテリジェンス推進会議決定。以下「基本方針」という。)において定め、平成二十一年四月一日から実施しているものである。 同制度は、特別管理秘密を取り扱う者に関して基本方針が定める政府全体としての統一的な基準に従い、各行政機関において運用しているものであり、あらゆる情報活動の前提となる情報保全の徹底を図るという観点から、必要なものであると認識している。 二について 職員に取り扱わせる特別管理秘密の内容に応じ、複数に区分した適格性の確認を行っている行政機関もある。 三について 特別管理秘密を取り扱う者は、国の行政機関における事務遂行上の必要性に応じて当該行政機関の職員の中から選定されるものであり、必ずしも役職により決まるものではない。また、地方自治体、民間団体、企業等に所属する者は、特別管理秘密を取り扱うことについての適格性の確認の対象とはしていない。 四の1について 秘密取扱者適格性確認制度については、これを定めた法令はなく、基本方針に基づき、各行政機関において職員の任用に関して任命権者の権限の範囲内で運用しているものである。 秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議が平成二十三年八月八日に取りまとめた「秘密保全のための法制の在り方について(報告書)」(以下「報告書」という。)においては、秘密情報を取り扱う者がその適性を有するかどうかを判断する適性評価制度の法制化について提言されており、政府としては、報告書を十分に尊重の上、秘密保全に関する法制の整備のための法案(以下「法案」という。)について検討を行っている。 四の2について 報告書においては、適性評価制度について、調査事項を公開すること及び評価基準を非公開とすることが提言されている。なお、四の1についてでお答えしたとおり、法案について現在検討中であることから、政府の方針を現時点でお答えすることは困難である。 四の3について 適格性の確認は、各行政機関において、職員の任用に関して任命権者の権限の範囲内で実施しているものであり、必ずしも本人の同意を得て行っているものではない。 四の4について 四の1についてでお答えしたとおり、法案について現在検討中であることから、政府の方針を現時点でお答えすることは困難である。 五について 特別管理秘密を取り扱う適格性を有し、特別管理秘密を取り扱うことができるとされている国の行政機関の職員は、平成二十三年末時点で、五万三千百六十二人となっている。 六について お尋ねの不適格と判断された者の人数については、秘密取扱者適格性確認制度の具体的運用に関わることであり、政府の情報保全に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えたい。 七について 特別管理秘密を取り扱う者に対して実施している研修の内容や日程については各行政機関によって異なるが、情報保全の重要性、特別管理秘密の取扱手続、事案対処要領等に関する研修を定期的に実施している。なお、当該研修を受講した者の正確な延べ人数については把握していない。 |