質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第五一号

内閣参質一八〇第五一号
  平成二十四年三月十三日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員亀井亜紀子君提出定率減税の縮減・廃止又は消費税率の引上げによる増収額及びそれらの使途に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員亀井亜紀子君提出定率減税の縮減・廃止又は消費税率の引上げによる増収額及びそれらの使途に関する質問に対する答弁書

一について

 平成十七年度税制改正による定率減税の縮減及び平成十八年度税制改正による定率減税の廃止(以下「定率減税の縮減・廃止」という。)による所得税及び個人住民税の実際の増収額については、税の収納が改正後の制度に基づき行われ、当該増収額が区分して集計されるものではないため、把握していない。

二について

 定率減税の縮減・廃止に伴う所得税及び個人住民税の増収分の使途については、一般財源であり、厳密に特定することは困難であるが、平成十五年十二月十七日に自由民主党及び公明党が取りまとめた「平成十六年度税制改正大綱」において「平成十七年度及び平成十八年度において、わが国経済社会の動向を踏まえつつ、いわゆる恒久的減税(定率減税)の縮減、廃止とあわせ、三位一体改革の中で、国・地方を通じた個人所得課税の抜本的見直しを行う。これにより、平成十七年度以降の基礎年金拠出金に対する国庫負担割合の段階的な引き上げに必要な安定した財源を確保する。」とされたことや、平成十七年度から平成十九年度までの予算の編成過程における両党の議論等を踏まえ、当該所得税の増収分(地方交付税の法定率分を除く。)のうち、一部については基礎年金の国庫負担割合を引き上げるための財源とするものと整理され、残額については財政健全化のために公債発行の縮減に活用されたものと認識している。これにより国庫負担の追加分として整理された額は、平成十七年度にあっては約〇・一兆円、平成十八年度にあっては約〇・二兆円、平成十九年度にあっては約〇・三兆円である。

三について

 消費税率及び地方消費税率の引上げによる平年度の増収見込額については、現時点において一定の前提を置いて現行税率での税収額と比べて増加する額を算出すると、平成二十六年四月一日に消費税率を地方消費税率と合わせて八パーセントへ引き上げることにより八・〇兆円程度、平成二十七年十月一日に消費税率を地方消費税率と合わせて十パーセントへ引き上げることにより十三・五兆円程度となる。初年度の増収見込額については、平成二十六年度予算の編成時において、消費税収及び地方消費税収を見積もる中で算出していくこととしている。

四について

 「社会保障・税一体改革大綱」(平成二十四年二月十七日閣議決定)においては、消費税収及び地方消費税収(現行税率分を除く。)については、その使途を明確にし、官の肥大化には使わず全て国民に還元し、社会保障財源化することとしている。その際、地方分の現行の基本的枠組みを変更しないことを前提としている。
 消費税収(地方交付税の法定率分を除く。)については、その全額を社会保障四経費(制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する費用)に充てることを法律上明確にし、社会保障目的税化することとし、また、会計上も予算等で使途を明確化することとしており、毎年度の予算及び決算において、全額が社会保障四経費に充当されていることが国民に分かりやすい形で示せるよう、今後の国会の議論等も参考にしながら、その具体的な方法について検討してまいりたい。
 地方消費税収(現行税率分を除く。)及び消費税に係る地方交付税の法定率分については、その使途を明確化することとしており、社会保障財源化されることが国民に分かりやすい形で示せるよう、地方の意見等も踏まえながら、その具体的な方法について検討してまいりたい。