質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第三九号

内閣参質一八〇第三九号
  平成二十四年三月二日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員紙智子君提出ヨーネ病対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員紙智子君提出ヨーネ病対策に関する質問に対する答弁書

一について

 家畜伝染病予防法(昭和二十六年法律第百六十六号。以下「法」という。)第五条第一項の規定による命令により実施されるヨーネ病の検査の方法については、家畜伝染病予防法施行規則(昭和二十六年農林省令第三十五号)別表第一(以下「別表」という。)において、エライザ法による検査(以下「エライザ検査」という。)とともに、お尋ねの菌培養検査を含む細菌検査を規定している。
 ヨーネ病の検査により患畜と一旦判定された家畜については、同病のまん延を防止するため、都道府県知事に対し、法第十七条第一項の規定に基づき当該家畜の所有者等にこれを殺すべき旨を命ずるよう指導しており、改めて細菌検査その他の検査を行うことは想定していない。
 なお、同条の規定により家畜が殺された場合には、国は、法第五十八条第一項の規定に基づき、法第十七条の命令があった時における当該家畜の評価額の五分の四を手当金として家畜の所有者に対して支払っている。

二について

 一般的に、エライザ検査を含む抗体検査の特性として、疾病にかかっていない家畜であっても陽性を示す可能性があることは、周知の事実であると承知しており、都道府県に対し、エライザ検査を用いてヨーネ病の患畜であるか否かを判定するに当たっては、複数回の検査を行うなど、正確な診断に努めるよう指導しているところである。

三について

 一般的に、抗体検査の特性として、疾病にかかっていない家畜であっても陽性を示す可能性があるものと認識しているが、個別の家畜について、陽性を示した家畜が実際には疾病にかかっていなかったか否かを検証することは困難であることから、お尋ねの頭数について把握することは、困難であると考えている。
 また、一についてで述べたとおり、法第十七条の規定により家畜が殺された場合には、国は、法第五十八条第一項の規定に基づき、手当金を当該家畜の所有者に対して支払っている。

四について

 本年一月二十五日に農林水産省が開催したヨーネ病検査に関する技術検討会において、新たな科学的知見に基づき、エライザ検査については、ヨーネ菌以外の抗酸菌が原因となって陽性反応を示す可能性が否定できない旨の見解が示されたところであり、農林水産省としては、直ちに当該見解を都道府県等に対し周知したところである。
 さらに、「ヨーネ病の検査におけるエライザ検査の非特異反応への対応について」(平成二十四年二月一日付け二三消安第五一〇五号農林水産省消費・安全局長通知)を発出し、都道府県に対し、今後、専門家、都道府県等の意見を聴いた上で、別表等を見直すことを明らかにするとともに、別表等が見直されるまでの間のヨーネ病の検査に関しては、過去三年以内に、細菌検査又は遺伝子検査の結果、陽性となった家畜がいなかった農場については、エライザ検査を用いてヨーネ病の患畜であるか否かを判定する場合には、遺伝子検査を併せ行い、その結果が陽性であったときに患畜と判定するよう指導したところである。

五について

 農林水産省においては、ヨーネ病の検査が的確に実施されるよう、科学的知見に基づき必要な措置を講じてきたところであり、今後も、最新の科学的知見に基づき必要な措置を適切に講じていく考えである。