質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第二三号

内閣参質一八〇第二三号
  平成二十四年二月二十四日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員糸数慶子君提出在日米軍再編計画の見直しに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員糸数慶子君提出在日米軍再編計画の見直しに関する質問に対する答弁書

一について

 日米両政府(以下「両政府」という。)は、抑止力を維持しつつ、沖縄の負担を早期に軽減していくとの考えの下、在沖縄米海兵隊のグアムへの移転及び嘉手納飛行場以南の施設・区域の返還の双方を、普天間飛行場の移設の進展から切り離すことを含めた在日米軍の再編計画の調整について、公式な議論を開始したところであるが、最終的に沖縄に残留する米海兵隊のプレゼンスが、平成十八年五月一日の日米安全保障協議委員会(以下「SCC」という。)の際に発表されたSCC文書「再編の実施のための日米ロードマップ」(以下「ロードマップ」という。)に沿ったものとなることを引き続き確保していくこととしている。
 また、普天間飛行場については、同飛行場のキャンプ・シュワブ辺野古崎地区及びこれに隣接する水域への移設に関する現在の計画が引き続き唯一の有効な進め方と考えている。
 政府としては、こうした考え方を引き続き沖縄の皆様に誠実に説明し理解を求めていくとともに、沖縄の負担を早期に軽減していくよう引き続き努力する考えである。

二について

 お尋ねについては、米国がその安全保障政策においてアジアを重視するとの観点から行ってきたアジアにおける防衛の態勢に関する戦略的な見直しを指すものであるが、その詳細は現時点では明らかになっていないものと承知している。

三について

 お尋ねの「嘉手納以南の土地の返還」については、その最終的な範囲はロードマップに記載されているものから変更はないと理解しており、具体的には、全面的又は部分的な返還が検討されているキャンプ桑江、キャンプ瑞慶覧、普天間飛行場、牧港補給地区、那覇港湾施設及び陸軍貯油施設第一桑江タンク・ファームである。

四及び五について

 在沖縄米海兵隊のグアムへの移転については、現在両政府の間で議論を行っているところであり、お尋ねについて現時点でお答えすることは困難であるが、第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(平成二十一年条約第三号。以下「グアム移転協定」という。)は引き続き有効であることを踏まえながら、抑止力を維持しつつ、沖縄の負担を早期に軽減していくとの考えの下、国民の理解が得られるものとなるよう、政府として適切に対応してまいりたい。

六について

 グアム移転協定に従い、我が国政府は、平成二十一年度以降所要の経費を予算計上してきており、平成二十一年度に三億三千六百万米ドルの資金を、平成二十二年度に四億九千七百八十万米ドルの資金を、米国政府に対し、それぞれ提供しているところである。今後の予算執行については、グアムに移転する米海兵隊の部隊構成及び人数について現在両政府の間で見直しを行っているところであり、現時点でお答えすることは困難であるが、両政府間における見直しの状況を踏まえ、在沖縄米海兵隊のグアムへの移転に関わる他の様々な状況も見極めつつ、適切に判断してまいりたい。

七について

 お尋ねの「複数の課題」としては、抑止力を維持しつつ、沖縄の負担を早期に軽減していくとの考えの下、米国のアジアにおける防衛の態勢に関する戦略的な見直しを踏まえて、在日米軍の再編計画の調整を図ることや、グアムに移転する米海兵隊の部隊構成及び人数の見直し及び嘉手納飛行場以南の施設・区域の返還の進め方について協議すること等が挙げられる。