質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第二〇六号

長期滞在海外在留邦人の利便性を考慮した住宅ローン減税制度の改善に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年七月二十七日

浜田 昌良   


       参議院議長 平田 健二 殿



   長期滞在海外在留邦人の利便性を考慮した住宅ローン減税制度の改善に関する質問主意書

 我が国の国際化の進展を受けて、長期滞在海外在留邦人(永住者を除く。以下同じ。)は、平成二十三年十月現在、七十八万人を超え、この二十年で三十五万人以上も増加している。長期滞在海外在留邦人はいずれ本邦に帰国を予定している者であり、その帰国の際に住宅を購入するケースも少なくなく、長期滞在海外在留邦人に物件紹介や住宅建て替え等を仲介する事業者も存在している。
 一方、現行税制においては、平成二十一年から二十五年の間に我が国居住者が自らの居住用に住宅を取得する場合の住宅ローン減税が実施されており、ローン残高に応じて一般の場合でも最高二百万円から五百万円の減税が受けられることになっている。
 しかし、長期滞在海外在留邦人から、その適用の改善を求める声が上がっている。具体的には、現在横浜在住の方がフランスからの帰国に際して住宅を購入し、昨年の確定申告で住宅ローン減税の適用を求めたところ、適用できないとの指摘を受けたという。この方は、平成二十二年末に帰任し、一月に住宅を契約・登記の予定であったが、勤務先の都合により海外勤務が三か月延長となったため、フランスに在住のまま登記を行ったとのことであった。結果としてご家族の年初からの居住実態等が考慮され、減税が適用になったとのことであったが、当初の指摘を鵜呑みにしていた場合には減税が適用されなかったと類推されるところ、こうした問題に対して何らかの制度的改善が必要と考えられる。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 住宅ローン減税の適用を受ける要件の中に、(イ)購入時点での「国内居住」、(ロ)確定申告の時点での「住宅取得後六か月以内での本人居住及びその年の十二月三十一日までの引き続き居住」の二つがあるが、これらの要件を前提としつつも、税務の窓口においては、個々の詳細な事情を聴取し、実態に配慮した柔軟な運用を、特に、長期滞在海外在留邦人が帰国直後に居住する場合には全国の税務当局において行うべきと考えるが、政府の見解如何。

二 長期滞在海外在留邦人の住宅ローン減税適用に関し、不利益がないよう、全国の税務当局に周知徹底を行うべきと考えるが、政府の見解如何。

三 長期滞在海外在留邦人の増加を受け、住宅ローン減税その他の国内税制についての相談を受け付ける二十四時間対応の相談窓口を国税庁に設置すべきと考えるが、政府の見解如何。

  右質問する。