第180回国会(常会)
質問第二〇五号 体外受精培養液中に含まれる化学物質の安全性に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十四年七月二十六日 山谷 えり子
参議院議長 平田 健二 殿 体外受精培養液中に含まれる化学物質の安全性に関する質問主意書 昨年、プラスチックを加工しやすくする化学物質「フタル酸エステル類」が人の体外受精で必要となる培養液に高い濃度で含まれていることが、厚生労働省研究班の調査で分かった。妊婦の血液から検出される濃度の最大で約百倍に相当する。動物の胎児の生殖機能に影響を与える濃度の千分の一ほどだが、マウスの細胞の遺伝子には異常が起きるレベルで、受精卵や胎児への影響が懸念されるとの内容であった。 日本産科婦人科学会の集計によれば、平成二十一年の新生児の四十人に一人は、体外受精や顕微授精などの高度医療生殖補助によって生まれている。 この現状を踏まえ、以下質問する。 一 前述の厚生労働省研究班による調査結果に関して、政府の見解を示されたい。 二 平成二十四年六月十四日の参議院内閣委員会で、政府参考人は、「人工授精用の一部の培養液から母体血中濃度の十倍から百倍のフタル酸エステルが検出された」と答弁した。「一部の培養液」とは、何種類の培養液か。また、人工授精用の培養液は全部で何種類あるか示されたい。 三 日本では、体外受精で毎年二万人以上の新生児が生まれている。この現状に鑑み、体外受精の安全性について早急に詳しく調査すべきと考える。今後の政府の取組について示されたい。 右質問する。 |