第180回国会(常会)
質問第一九七号 子宮頸がんを予防するワクチンに関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十四年七月十八日 山谷 えり子
参議院議長 平田 健二 殿 子宮頸がんを予防するワクチンに関する質問主意書 子宮頸がんを予防するワクチンに関して、以下、質問する。 一 百種類以上あるヒトパピロマーウイルス(HPV)のうち、子宮頸がんの原因となるハイリスク型のHPVは十数種類ある。グラクソ・スミスクライン株式会社の情報によると、子宮頸がん予防ワクチン「サーバリックス」は、HPV一六型及び一八型に対して有効とされているが、日本人の子宮頸がん患者においてはHPV五二型及び五八型の検出率が比較的多く、サーバリックスのHPV五二型及び五八型に対する予防効果は十パーセント程度とみられる。予防効果十パーセントというのはあまりにも低すぎるのではないか。政府の見解を示されたい。 二 平成二十一年八月三十一日の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会資料によれば、サーバリックスの有効性についての日本国内でのデータはほとんどなく、子宮頸がんの病変予防データは「国内臨床試験の実施が困難」というだけで、海外の試験成績をもって「本剤の有効性は確認されております」としている。厚生労働省は、平成二十四年五月二十三日に子宮頸がんを予防するワクチンについて、予防接種法に基づく公的な予防接種に加える方針を決め、来年度から制度化することとしているが、この決定の根拠を示されたい。 三 厚生労働省は平成二十四年六月二十七日、子宮頸がんを予防するワクチンを接種した後に、失神を起こしたり意識がはっきりしなくなったりした女性が今年三月末までで八百十二人報告されたと発表した。八百十二人のうち意識を失う失神状態になった人は五百六十七人、さらに転倒して歯や鼻の骨が折れた人が五十一人いた。ワクチンの副作用ではなく、筋肉注射の痛みや恐怖によるショックが原因と考えられるというが、子宮頸がんワクチンに含まれる水酸化アルミニウムと細菌成分のアジュバントは注射部位の痛み、全身反応が強いとされており、これはワクチンによる副作用であると考えられる。政府の見解を示されたい。また、子宮頸がんワクチンの接種については、通常、初回、二か月後、六か月後と六か月間で三回接種となっており、アナフィラキシーショックを起こす危険性が高いのではないか。併せて政府の見解を示されたい。 四 サーバリックスの説明書には、「本剤の予防効果の持続期間は確立していない」と記載されており、また、メーカー側も副作用の検証が不十分であると認めている。ワクチンの有効性及び安全性について、政府の見解を示されたい。 五 子宮頸がんの増加の主因は、性交渉年齢の若年化と複数の相手との性交渉によるものといわれる。接種者や保護者にこのことを説明していないのが現状だと考えるが、政府はどのような認識を持っているか。また、この情報をより分かりやすく説明し、啓発活動をすべきと考えるが、政府の見解を示されたい。 右質問する。 |