質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第一九三号

MV22オスプレイの配備に関する第三回質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年七月十三日

佐藤 正久   


       参議院議長 平田 健二 殿



   MV22オスプレイの配備に関する第三回質問主意書

 平成二十四年七月十日の参議院予算委員会において、森本防衛大臣より、米海兵隊所属MV22オスプレイ(以下「オスプレイ」という。)の岩国基地への揚陸及び試験飛行に関し、種々答弁があった。
 右の点を踏まえ、以下質問する。

一 米軍はオスプレイ沖縄配備に際し、何故、直接沖縄(那覇軍港)に搬入せず、米軍岩国基地に揚陸し試験飛行を行うのか、その理由について、政府の承知するところを明らかにされたい。

二 山口県知事及び岩国市長も、オスプレイの安全性に関する説明等に納得できないとして、オスプレイの揚陸そのものに反対しているが、何故、米軍は岩国基地搬入にこだわるのか、その理由について、政府の承知するところを明らかにされたい。また、他の港に陸揚げし、陸送により横田基地や厚木基地等に搬入し、試験飛行を行う等他の手段等について、日本政府から要請しないのか。日本政府の見解を問う。

三 山口県知事選挙は本年七月十二日告示、同二十九日投票であり、現知事はオスプレイの岩国基地揚陸反対の意向を示しているため、オスプレイの岩国基地揚陸が候補者の選挙公約にも影響しかねない。オスプレイの岩国基地揚陸は、森本防衛大臣によれば、山口県知事選挙の投票日前のスケジュールと見積もられるとの発言があった。オスプレイの岩国基地揚陸が山口県知事選挙に与える影響を、日本政府はどのように認識しているのか、選挙戦前半の状況を踏まえた上で、その見解を明らかにされたい。

四 何故、山口県知事選挙の最中に、オスプレイを岩国基地に揚陸することになったのか、その理由を示されたい。また、揚陸日時の投票日後への変更等を米国政府に日本政府から要請した事実はあるのか、明らかにされたい。

五 オスプレイの岩国基地揚陸に際しては、その日程が分かれば山口県等に説明すると、野田内閣総理大臣及び森本防衛大臣が明言しているが、説明対象となっている自治体名(基礎自治体含む)をすべて明らかにされたい。

六 オスプレイの岩国基地揚陸に際しては、陸上だけでなく、海上での抗議行動も予想されるが、日本政府は、米国政府から要請があれば、揚陸を円滑に行うために、海上保安庁や警察等をもって対処する考えはあるか。また、抗議行動への対処に自衛隊を運用する可能性について、政府の見解を問う。

七 森本防衛大臣は、オスプレイの岩国基地揚陸後、事故調査の結果を受け安全性が確認されるまでの間、一切の飛行は行わないと明言しているが、飛行以外に滑走路等でのエンジン始動や地上走行も一切行わないとの理解で良いのか。または、エンジン始動や地上走行はあり得るとの認識なのか。政府の見解を問う。
 また、仮にエンジン始動を行う場合でも、山口県知事選挙の終了以降に行うよう米国政府に申し入れることは可能か。また、そのような申入れを行う考えはあるか。政府の見解を問う。

八 オスプレイを岩国基地から沖縄普天間基地へ配備するためには、事前に岩国基地周辺で試験飛行を行うことが必要となるが、試験飛行は洋上のみか、または、陸の上空でも行うことはあるのか。政府の承知するところを示されたい。

九 岩国基地周辺でオスプレイの試験飛行を行う際、観光客が安全性に不安を持ち、宮島観光や錦帯橋観光等に影響を与える可能性も否定できないと考えるが、これらの実害や風評被害対策、損害賠償対応の苦情窓口及び実害対応は日本政府が担うのか、または、米国政府になるのか。日本政府の見解を問う。
 同じく、洋上で試験飛行を行う際、安全性を不安視する漁民が出漁を取り止める可能性についても否定できないが、これらの苦情窓口や実害対応は日本政府が担うのか、または、米国政府になるのか。日本政府の見解を問う。

十 オスプレイの定期修理(エンジンのオーバーホールも含む)については、森本防衛大臣は米国政府から通報を受けていないとしつつも、部隊ではなく外注で修理する可能性について、委員会で発言している。いずれにせよ安全性を担保し、国民に安心してもらう意味でも、定期修理は重要だと考えるが、政府の見解を問う。
 また、オスプレイの定期整備については、整備後の試験飛行も重要であり、安全上の観点からも米国政府に説明を求めた上で、沖縄県や定期整備を行う工場が所在する自治体に説明する必要があると思うが、政府の見解如何。

  右質問する。