質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第一三五号

森本敏防衛大臣の沖縄の基地問題等への見解に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年六月六日

糸数 慶子   


       参議院議長 平田 健二 殿



   森本敏防衛大臣の沖縄の基地問題等への見解に関する質問主意書

 野田佳彦総理大臣は本年六月四日、第二次の内閣改造を行い、防衛大臣に森本敏拓殖大学大学院教授を起用した。森本氏の防衛大臣起用は文民統制の観点からも疑問視されるが、沖縄県民にとっては、それ以上に、日米軍事同盟重視の姿勢を問題視し、沖縄の過重な米軍基地負担の軽減は図れないとの声がある。外交・防衛の専門家として数多くのメディアに登場し、在日米軍再編や沖縄に駐留する海兵隊の抑止力等について持論を展開してきた森本氏の防衛大臣就任に際し、沖縄の基地問題等について以下、質問する。

一 国の安全保障に関する沖縄県及び沖縄県民の過重な基地負担について防衛大臣としての見解を示されたい。

二 在日米軍の専用施設の約七十四パーセントが集中する沖縄の米軍基地の現状に対する防衛大臣としての見解を示されたい。

三 普天間飛行場の移設問題の現状に対する防衛大臣としての見解を示されたい。

四 沖縄県の仲井眞弘多知事は本年三月二十七日、普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価書に対する意見(公有水面の埋立て事業)を防衛省に提出した。防衛省は現在、同知事意見を受け評価書の修正作業を進めているが、修正作業の目途及び公有水面埋立て申請の目途を明らかにした上で、同建設事業に対する防衛大臣としての見解を示されたい。

五 普天間飛行場は沖縄県宜野湾市の中心部に位置し、沖縄県の仲井眞弘多知事をはじめ宜野湾市の佐喜眞淳市長ら隣接する自治体の首長が、その危険性の除去を強く求めているが、防衛大臣としての危険性の除去に対する見解を示されたい。

六 米海兵隊が本年七月にも普天間飛行場に配備予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ(以下「オスプレイ」という。)は、度重なる墜落事故等、その安全性に疑問があり、県民は配備に反対しているが、オスプレイ配備に対する防衛大臣としての見解を示されたい。併せて米軍側のオスプレイ配備に関するスケジュール等を明らかにされたい。

七 米国議会の有力議員等が提言する普天間飛行場の嘉手納基地統合案について防衛大臣としての見解を示されたい。

八 在日米軍再編計画の見直しの共同発表(本年四月二十七日)による嘉手納基地以南の五施設・区域の返還について、その返還期日等のスケジュールに関し、防衛大臣としての見解を示されたい。

九 沖縄に駐留する米海兵隊の抑止力について防衛大臣としての見解を示されたい。

十 沖縄県民は日米地位協定の抜本的な改定を求めているが、防衛大臣としての改定に対する見解を示されたい。

十一 防衛省は自衛隊と米軍の共同訓練や共同演習等を強化する一方、在日米軍の施設及び区域(以下「基地」という。)の共同使用も積極的に推進しているが、在沖縄の米軍基地の自衛隊との共同使用について、現時点において共同使用している基地と今後、共同使用を検討している基地を明らかにした上で、防衛大臣としての共同演習及び共同使用に対する見解を示されたい。

  右質問する。